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《櫻井ジャーナル》

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2019.11.11
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 ボリビアのエボ・モラレス大統領が辞意を表明、大統領選挙の実施を呼びかけた。モラレスは10月20日の選挙でアメリカ支配層から支援を受けているカルロス・メサに勝利したのだが、反モラレス派は抗議活動を開始、国営メディアを11月9日に襲撃し、軍や警察の幹部が反大統領派へついたことから政権の維持は難しいと判断したようだ。

 メディアを押さえるのはクーデターの常套手段。ボリビアの場合、ラジオ局エルボルが先日、アメリカ大使館と連携して政治行動を訴える反政府派のリーダーの音声を公開していた。その音声の中にはマルコ・ルビオ、ボブ・メネンデス、テッド・クルーズといったアメリカ上院議員の名前も出てくるという。

 かつて、アメリカにはジョン・マケイン3世という上院議員がいた。1967年にアメリカの情報収集船リバティがイスラエル軍に攻撃されて沈没寸前になり、乗員34名が死亡、171名が負傷するという出来事があった。詳細は割愛するが、この出来事をリンドン・ジョンソン政権は隠蔽しようとした。その隠蔽工作の責任者がジョン・マケイン・ジュニア、マケイン3世の父親だ。

 マケイン3世は戦乱のアフガニスタンを訪問、侵略戦争が始まった直後のシリアへ密入国したほか、ネオ・ナチのクーデターを支援するためにウクライナへ入っているが、2018年8月に死亡した。そのマケインを引き継いだかのように現れたのがルビオ。

 マケインと同じように新自由主義を支援する親イスラエル派で、イスラエルによるパレスチナ人に対する弾圧を続けるイスレルに抗議するBDS(ボイコット、資本の引き揚げ、制裁)を法的に禁止しようとしている。

 BDSが始まる引き金になった出来事が1982年に引き起こされている。この年の6月6日にイスラエル軍はレバノンへの侵攻を開始、8月まで爆撃を続けた。そこにいたPLOを排除することが目的だったと見られている。8月20日にイスラエル軍がベイルートから撤退、その翌日にはPLOも撤退を開始した。

 9月12日にはアメリカ、フランス、イタリアで編成された国際監視軍がレバノンから引き揚げるが、その2日後にレバノンのバシール・ジュマイエル次期大統領が暗殺された。この出来事を口実にしてイスラエル軍が15日に西ベイルートへ突入してパレスチナ・キャンプ、サブラとシャティーラを包囲。その包囲網の中でレバノンの与党であるファランジストの民兵を中核とする右派キリスト教民兵がパレスチナ人を虐殺したのは16日から18日にかけてのことだ。

 民兵を率いていたのはバシール・ジュマイエルの父親であるピエーレ・ジュマイエル。事前にピエーレは親友のシャロンに手紙を書き、その中で息子の復讐を誓っている。

 この虐殺で犠牲になったパレスチナ難民の数は、レバノン政府によると460名、イスラエルの報告書では700ないし800名、PLO側は死者と行方不明者を合わせて5000から7000名としている。また国際赤十字が確認した死体が663、これにブルドーザーなどを使って隠されたり運び出された死体を加えると3000名以上だともいう。

 虐殺後、アリエル・シャロンと軍情報局長だったイェホシュア・サギ少将は解任されたものの、局長の部下だったモシェ・ヘブロニは3カ月にわたって居座り、自分自身とボスたちの虐殺への関与を示す証拠を廃棄した。

 この虐殺もあり、イギリスの労働党では親イスラエルの姿勢を改める動きが現れるのだが、党を率いていたジョン・スミス党首が1994年に心臓発作で急死、新たな党首にトニー・ブレアが選ばれた。

 スミスが死ぬ4カ月前、ブレアは妻のチェリー・ブースとイスラエルを訪問、その2カ月後に彼はロンドンのイスラエル大使館で富豪のマイケル・レビーを紹介されている。このほか、ブレアはジェイコブ・ロスチャイルドやエブリン・ロベルト・デ・ロスチャイルドとも親しいという。

 レビーという富豪をスポンサーにしたブレアは伝統的な労働党の支持者の意向を無視することができるようになった。これが「ニュー・レイバー」の始まり。勿論、ブレアは労働党を親イスラエルに引きも出した。こうした動きに反発した人びとがBDSを始めたのである。そのBDSにルビオは反対している。

 ルビオはベネズエラの政権転覆工作にも加わっている。アメリカの支配層はフアン・グアイドなる人物を「暫定大統領」に任命、クーデターを仕掛けた。そのグアイドをルビオは支援、​自分自身のツイッター​にリビアのムアンマル・アル・カダフィの元気な時の姿と惨殺される寸前の様子を撮影した写真を並べて載せていた。

 香港で繰り広げられている反中国運動の背後にアメリカとイギリスの情報機関が存在している。JWマリオット・ホテルでアメリカのジュリー・イーディー領事と会っているところを撮影された黄之鋒(ジョシュア・ウォン)や羅冠聰(ネイサン・ロー)も米英の手先の一部。黄之鋒は国外での宣伝活動に出てくるが、2015年11月にナンシー・ペロシ下院議長と会談、17年5月にはネオコンのマルコ・ルビオ上院議員と会っている。

 ボリビアでクーデターを仕掛けているアメリカの勢力はイスラエルによるパレスチナ人弾圧を擁護し、中東や北アフリカ、旧ソ連圏での侵略戦争を支援、ラテン・アメリカにある巨大資本の利権を守ろうとしている。そうした勢力が進めている政策は私的権力による世界支配だ。このシステムをフランクリン・ルーズベルトはファシズムと呼んだ。






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最終更新日  2019.11.11 12:44:47



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