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カテゴリ:第8話 青年インカ
深く息を継ぐと、ベルムデスは、今度は深遠な声音になって続ける。 「ですが…スペイン侵略後、この国では、いえ、スペイン本国でもそうでしたが、幾つかのカトリック教団が勢力を争って参りました。 そして、アンドレス様のお父上ニコラス様が属されていたイエズス会は、アンドレス様がお生まれになる頃には、数あるカトリック教団の中でも最も活発な教団でした」
その――イエズス会っていうのは…?」 やや躊躇(ためら)いながらも、相手の言葉を遮ったアンドレスの真剣な瞳に、ベルムデスは丁寧に礼を払って頷いた。
アンドレス様が物心つかれた頃には、もうこの国にはありませんでしたからな。 ご存知ないのも、無理からぬことでありましょう。
イエズス会員は、『教皇の精鋭部隊』とも謳われたほどに、いろいろな意味で、改革的…そして、闘争的な側面をも有しておりました」
「はい。 創始者のイグナティウスが、もともとは騎士だった、ということもありましょうが、彼らは聖職者の階級制度を取り払い、いわゆる…堕落した部分もございましたカトリック教会の内部改革を推し進め、その他にも、いろいろと…。 そして、海外布教にも大変熱心な教団でした」
≪トゥパク・アマル≫ ≪アンドレス≫ ≪ベルムデス≫ ◆◇◆◇◆ホームページ(本館)へのご案内◆◇◆◇◆ ◆◇◆はじめて、または、久々の読者様へ◆◇◆ 現在のストーリーの概略はこちら HPの現在連載シーンはこちら ランキングに参加しています。お気に入り頂けたら、クリックして投票して頂けると励みになります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.12.17 19:02:53
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