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2016.04.17
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テーマ:今日の一曲(59)
カテゴリ:カテゴリ未分類
レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)をはじめて聴いたのは1969年だったな。何かの雑誌に自作曲を投稿し賞品としてツェッペリンの処女アルバムを貰ったのだ。一曲目、Good Times and Bad Timesを聴いた時は、ぶっ飛んだ。ビートルズやストーンズというブリティッシュ・ロック旋風のバンド達とは、レベルの違うテクニックと音楽のタイプだった。

そのツェッペリンの大ヒット曲、「天国への階段」(1971年)のイントロが、盗作騒ぎで話題になっているそうだ。アメリカのバンドSpiritのベース奏者が訴えたらしい、自分たちの1967年頃の曲「Taurus」の盗作だと。ユーチューブで「Taurus」を試聴してみたが、なあるほど、ちょっと耳にしたところでは確かに似ている。しかし、45年程前の曲を盗作で訴えることが出来るのかな?Forbesの記事に拠れば、アメリカでの著作権訴訟の時効は3年だそうで、ということは、著作権侵害の賠償請求は訴訟を起こした日から遡る3年間の部分とこれから先の部分に限られる。1971年から40年間にこの曲が稼いだ分には累は及ばないということか。かといってこの訴訟で原告が得をしないわけではない、「天国」はいまだに売れている、カバーもされるだろう、更にリマスターしで売り出す計画もあるとか、その売り上げは結構な額になるね。

ツェッペリンとSpiritは1968年から1969年にかけて共演していて、その時Spiritは「Taurus」を演奏している。つまり、ツェッペリンのギター奏者で「天国」のメインの作者であるジミー・ペイジは、この曲を耳にしていて意図時にか無意識にか盗作した可能性がある。では、2曲を比べてみよう。

先ず、似ているギターのアルペジオが、「Taurus」では曲の主旋律になっているのに対して、「天国」ではイントロで流れ、その後に続くロバート・プラントのボーカルの背景に過ぎない、という点に注目したい。これは著作権の裁判でどのように影響するのか、法的なことは知らないが、例えてみれば、学術論文の導入部分、「イントロダクション」に、他の論文から段落を借用して単語を少々変えた、という感じだろうか。論文の主部分には、このイントロがなくても全く構わないのだ。にもかかわらず、原告側からすれば、そのイントロ部分が我々にとっては主たる芸術的表現なのだよ、というかもしれない。

しかし実際には、このアルペジオの旋律は非常によく使われるコードとベースの進行で、パブリック・ドメイン(公共財産)だと見做すこともできる。AmのコードでベースラインがA G# G F# F と半音ずつ降りていく。岩崎宏美の「すみれ色の涙」で「すみれって、すみれって」の部分とか、ビートルズの「ミッシェル」のイントロとか、あちこちで使われている。和音の3音をギターで順番に弾いているので、音割が一緒なら、同じ旋律になる。

2つの曲で異なる部分を見てみよう。ベースラインが半音づつ下りていく間、Taurusのコードは Am にとどまっているのに対して、「天国」はベースが F# まで下りた時、コードが D になり、ベースが F の時には Fmaj7 なり、最後に Am に戻る時には G から Am となっている。更に、「天国」ではベースラインが半音づつ下りると同時に、高音が(ギターで言えば第一弦で) A B C F# と上がっていく(CからF#は下がる)。降りていく低音と昇っていく高音で独特のイメージを醸し出している。

以上の点で結論を出すと、Spiritの訴訟は取り下げられるべきと思う。しかし、ジミー・ペイジとツェッペリンには盗作疑惑は以前からあったのも事実だ。旋律だけでなく曲名や歌詞の一部が似ている、という曲がいくつかあった。例えば、Otis Rushの「I can't quit you baby」(1956年)、Jake Holmesの「Dazed and confused」(1966年)、Kansas Joe McCoyの「When the levee breaks」、Joan Baezの「Baby, I'm gonna leave you」(1963年)などのように、曲名も同じ歌詞やメロディも類似というもので、最後の曲の場合、訴訟を受け法定外で和解金や著者名の表記で解決している。ツェッペリンのメンバーは若い頃には相当に滅茶苦茶をしたようだから、他人の曲を平気で使うということもあったかもしれない。今回のケースでも、Joan Baezの時のような解決に落ち着くかもしれない。

そんな彼らも今や60代後半もしくは70代の高齢者だ。生存している3人のメンバーが、2012年12月にケネディ・センター名誉賞を受けた時に、正装でぎこちなくしている写真がここにある。この日のコンサートでは、「天国への階段」を含めて、ツェッペリンの代表曲を他のバンドや歌手が演奏していて、見ごたえ聴きごたえがあるので、ユーチューブでぜひどうぞ





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最終更新日  2016.04.17 15:03:42
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