縄・ワナ・罠 電王第31話
今日は超久々にリアルタイムで見ましたよ。もうかれこれ1ヶ月以上経ってるなぁ・・・(遠い目)【第31話 愛・ニード・侑】 湾岸地帯の倉庫の屋上、クレーンからロープで宙吊りにされて悲鳴を上げる男。彼と契約したラビットイマジンが「空を飛びたい」という彼の願いを男を宙に吊すことで叶えようというのだ。そこへ駆け付けたデネブがラビットイマジンを阻止すべく戦いを繰り広げる。続いて駆け付けた侑斗はゼロノスに変身しようとしたが、残るゼロノスカードは1枚、思わず変身を躊躇ってしまう。その隙にラビットイマジンは宙吊りのままの男と契約完了して過去へと飛んでしまった。そこへ良太郎が現れ、キンタロスの憑依を受けて落ちそうになった男を助けると、電王アックスフォームに変身してデンライナーで過去へと飛ぶ! 2004年7月26日に飛んだ電王は激闘の末にダイナミックチョップでラビットイマジンを大木ごと真っ二つにして撃破した。 残り1枚のゼロノスカードを手に思い悩む侑斗に声をかける良太郎だが、侑斗は何も言わず去っていく・・・『Milk Dipper』に戻ってきた良太郎が目の当たりにしたのは、店内の調度品に片っ端から『差押』の赤札を貼っていく金融会社の社員2人。尾崎と三浦によれば、知らないうちに愛理が他人の借金の保証人になっており、返済を迫られているらしい。その借金の額は何と1,000万円!? しかし、愛理は相変わらず脳天気である・・・ 桜井の思い出の望遠鏡まで赤札を貼られそうになり、良太郎はたまらず望遠鏡を抱えて店を飛び出す。捕まえようと後を追ってきた社員たちを制したのは、バイクで颯爽と駆け付けたハンサムな男。愛理の婚約者になる男だとうそぶくそいつの正体は金融会社の社長・藤代。彼は2年前、当時コーヒーの勉強のため喫茶店に勤めていた愛理の元に入れ込んでいた常連客の一人だった。「僕のことまで忘れちゃったんじゃないかと思った」という藤代の言葉に、良太郎は彼が桜井の失踪について知っているのではないかと不安を覚える。 その藤代は、1,000万円の借金をチャラにするのと引き替えに愛理に結婚を申し入れ、婚約指輪を置いて店を後にした。悪徳金融業者として有名らしい藤代の言動に尾崎と三浦は怒り心頭。デンライナーでは憤懣やるかたないリュウタロスが良太郎に憑依しようとするがモモタロスたちに押さえ込まれ、何かあったら呼ぶからと良太郎に言われて渋々引き下がる・・・ だが、愛理は何かを決心したのか藤代の婚約指輪を手に店を飛び出し、タクシーで藤代の会社へと向かってしまう。まさか藤代の強引なプロポーズを受ける気なのか? 会社の社長室で悠然と愛理からの返事を待つ藤代。と、そこへイマジンのエネルギー体が憑依したが藤代は気付かない。「手頃だな・・・適当に契約するには」アントホッパーイマジンが何やら思惑ありげに呟く・・・ 店にやってきた侑斗に事情を説明した良太郎は、桜井を知っているらしい藤代と一緒にいることで愛理が桜井のことを思い出してしまうことを恐れていた。忘れたままでいいはずはないとは思っているのだが・・・自身を桜井の若い頃と自称する侑斗は言う。「将来自分のそばにいるはずの人間が、自分の存在も覚えてなかったら、おまえ嬉しいか?」侑斗もまた桜井の存在が愛理に忘れられている現実に不安を抱いているのだろうか。 その時、ビルの屋上にアントホッパーイマジンが現れ、良太郎たちを挑発するように姿を消した。良太郎は侑斗に愛理のことを任せるとリュウタロスを呼ぶ。良太郎に憑依したリュウタロスは「おまえ嫌いだけど、お姉ちゃんはちゃんと連れ戻して。じゃないと僕許さないよ、いい?」と言い残して電王ガンフォームに変身、マシンデンバードでイマジンを追う! 侑斗は良太郎を誘うような敵イマジンの動きに不審を抱き、デネブに良太郎のフォローを任せて愛理の元へと走る。 藤代の会社にやってきた愛理は、借金は自分で返すからと言って婚約指輪を突き返した。唖然とする藤代は、彼女に自分の本心を吐露する。「僕はね、桜井侑斗が大っ嫌いだったんだ。天文バカで金もなくて、俺より年上のくせに子どもっぽくて、そのくせ、いとも簡単にあんたをモノにしちまった!」藤代はかつて愛理に想いを寄せつつも桜井が彼女の婚約者となったことで諦めていたが、その桜井がいなくなったと知り、これで愛理を自分のものにできると企んで今回の借金を仕組んだようだ。桜井のことをまったく覚えていない愛理は首を傾げるだけだったが、その脳裏には桜井との思い出の記憶の残滓が・・・一方、侑斗は街を駆け抜け、藤代の会社へと乗り込んでいく。 その頃、イマジンを追って操車場に乗り込んだ電王ガンフォームの前にアントホッパーイマジンが姿を現した。イマジンは電王が4つの姿になることを知っており、どうやら最初から電王を倒すのが目的らしい。スコップを振るうアントホッパーイマジン相手に激闘を繰り広げる電王だったが、そこへヴィオラ風の武器を持った2体目のアントホッパーイマジンが襲ってきた。敏捷に動き回る2体のアントホッパーイマジンの連係攻撃の前に電王ガンフォームは防戦一本槍、代わるかクライマックスフォームになるよう促すモモタロスたちだが、リュウタロスは意地になって代わろうとしない。そして、2体の容赦ない攻撃の前に電王はついに倒れてしまう――――――□□□□□□ 何だかどっかの昼ドラみたいな展開から始まる新展開の今回。夏のギャグ編が終わって9月からシリアスな展開に突入するというのはここ数年の仮面ライダーシリーズではお馴染みになっていますね。 かつて愛理に想いを寄せていた男・藤代。今や黒い噂流れる金融会社の社長にまでなった彼が、彼女を掌中に収めるべく仕掛けてきたセコい罠、それは"借金をネタに結婚を迫る"というどっかの昼ドラか時代劇にありがちなベタ展開でした(笑)しかし、それはもしかすると愛理の中の封じられた桜井の記憶を呼び覚ます導火線になるのか・・・ 一方、"初対面"のときは辛辣な言動を装っていたものの、内心では"未来の自分"が未来の婚約者"に忘れ去られていることに複雑な心境を抱いていたらしい侑斗。思えば、第29話で良太郎と同じく"希望ヶ丘"に行こうと言い出したり、ペルセウス流星群について熱く語ったりと、良太郎の知る現在の桜井に通じる一面を垣間見せていた彼ですが、本来なら出会うはずのなかった過去と未来の恋人たちの行き着く先は果たして・・・ その侑斗の手元にあるゼロノスカードは残り1枚。侑斗自身はそれを使うこと自体には躊躇いはないのでしょうが、次回予告によればどうも侑斗はゼロノスに変身する度にあるものを失っていくらしい。そのゼロノスの力と引き替えに払うという真の代償とは一体・・・? 一方、藤代と契約した今回の敵・アントホッパーイマジン。イソップ寓話『アリとキリギリス』からイメージされたその姿は、文字通りアリとキリギリスをごっちゃにしたような妙なデザイン。しかし、藤代との契約はあくまでこの2007年の時間で実体を得るための口実でしかないようで、その目的は何と電王の抹殺!? 電王が4つの姿を使い分けることを冷静に考察している辺りに用意周到さが窺えます。 イメージの元になった『アリとキリギリス』は、冬に備えて働くアリと目先の快楽ばかりを追うキリギリスの姿を通して、将来に備えて行動することの理を説く有名なお話ですが、ある意味では金の力を笠に着るカルい系キャラな藤代という男へのアンチテーゼでもあるんですかね。 今回はジーク役の三木眞一郎、スコーピオンイマジン役の神奈延年に続いてFate繋がりの声優が出演。今回は英雄王ギルガメッシュこと関智一がアントホッパーイマジンの2体目を演じましたが、英雄王っぽいのかと思いきやリュウタロスの劣化コピーでした(笑)むしろ1体目を演じた鳥海浩輔の冷静泰然とした演技の方が英雄王っぽく見えます。ちなみに、1体目はアリをイメージしてスコップを武器にしてましたが、そういえばスコップって第1次世界大戦の塹壕戦では武器として重宝されたんだよなぁとふと考えたエセ軍事マニアがここに一人(爆) おっと忘れちゃいけない、冒頭で見事に噛ませ犬を演じてくれたラビットイマジン。契約者の「空を飛びたい」という願いを「契約者を高いところから宙吊りにすればオッケー」と強引に解釈したようですが、それなら「契約者を空高く投げ飛ばしてもいいじゃん」とつい思ってしまいました(笑)スーツはトータスイマジン分離体の改造流用のようですが、それによって"契約者は違うのに同じ『ウサギとカメ』からイメージされたせいか姿がよく似ている"という印象を感じさせるのは面白いですね。武器の鎌は『仮面ライダーアギト』のジャッカルロード2号ことスケロス・グラウクスが使用した"贖罪のコラムビ"を思わせるデザインです(ちなみにコラムビとはスマトラ島界隈に伝わる鎌状の短剣) 敵イマジンが真っ正面から電王を狙ってくるのは今回が初ですが、自信家イマジンの単なる功名心なのか、あるいはイマジンたちに示唆を与えている何者かの電王に対する何らかの思惑に沿って動いているのか・・・? 思えばリュウタロスも元々は"良太郎を抹殺すれば時の列車の車掌にしてもらえる"という謎の声に従って良太郎に憑依したわけですが、そのリュウタロス=電王ガンフォームが今回アントホッパーイマジンに対峙したのはある意味皮肉かもしれません。