カテゴリ:バレエ(国内バレエ団)
【第11回世界バレエフェスティバル 全幕特別プロ】
世界バレエフェスティバル30周年記念公演 「ドン・キホーテ」 東京文化会館 大ホール 開演 15:00 <主要キャスト> キトリ/ドゥルシネア姫 タマラ・ロホ バジル ホセ・カレーニョ ドン・キホーテ 芝岡紀斗 サンチョ・パンサ 飯田宗孝 ガマーシュ 古川和則 メルセデス 大島由賀子 エスパーダ 高岸直樹 ロレンツォ 平野玲 キトリの友人 小出領子/長谷川智佳子 若いジプシーの娘 井脇幸江 ドリアードの女王 西村真由美 キューピッド 高村順子 ほか東京バレエ団 指揮:アレクサンドル・ソトニコフ 演奏:東京フィルハーモニー交響楽団 協力:チャイコフスキー記念 東京バレエ学校 世界バレエフェスティバルの開幕にふさわしく、たいへん華やかで楽しい舞台でした。東京バレエ団のドン・キホーテは、実は初見なのですが、衣裳が鮮やかというのか…赤・橙・黄色だらけ、って感じ。もうちょっと彩度を落とした方が、高級感が出るのでは…あ、あくまでも個人的な好みね。 ロホとカレーニョのペアは、キトリとバジルを自然体で演じている印象。昨年のABT公演で観た、マーフィーとのペアよりもしっくりくる感じ。特にロホは小柄で黒髪という容姿もあり、東京バレエ団のメンバーに囲まれても違和感なく馴染んでいました。ただ、不調気味だったのか、開幕公演ということで少々気負ってしまったのか?跳躍とバランス技に硬さを感じられた場面がいくつか。でも、最後の結婚式のPDDでは驚異のバランスキープと、シングル・シングル・トリプル(ダブル?)の連続フェッテで会場を涌かせました。 カレーニョは、ノーブルで包容力のある”頼れるバジル”という感じ。床屋にしては、気品がありすぎる感じがしないでもないけれど、お茶目なキトリに夢中な青年でした。ロホへの技術的なサポートも素晴らしいのだけれど、男性ダンサーに時折ありがちな「俺ってすごい?」オーラを出し過ぎるわけでもなく、あくまでも”女性を輝かせてナンボ”な、一歩引いた振る舞いが好感度大。でも、踊りはダイナミックで余裕しゃくしゃく、安心して観ていられる。う~ん、素敵だわ。 個人的な感想だけれど、カレーニョに備わる包容力というか余裕は、やはり彼が家庭持ちで、よき父親でもあるからかなぁ…と思ってみたり。 主役二人については以上。 あとは、とにかく東京バレエ団の皆さんがとても頑張っていた印象を受けました。高岸さんの、ちょっと三枚目的なエスパーダ+大島由賀子さんのエレガントなメルセデスは、お二人とも身長が高く、外人ダンサーに引けを取らぬ容姿で素敵でした。イメージ(キャラクター)的には、合っているのかどうかは正直微妙でした。でも、二人が登場すると舞台が華やかに彩られ、つい目がそちらへ惹き付けられてしまうのは、さすがだなと思います。 東京バレエ団公演のドン・キを観たくなりました。 ガマーシュの古川さんは、素顔が判別できないほどのコテコテメイクで登場。昨年のABTでガマーシュを演じたフリオ(ボッカではない)君の濃さにはかなわないけれど、お馬鹿演技を熱演し、キャラクテールの役目をしっかり務め上げていました。カーテンコールでは、なんとカレーニョとフェッテ合戦までやっちゃう!やっと俺の見せ場が来たぞ~と(本人がそう思ったかどうかは不明)互角に勝負して、会場を盛り上げていました。ブラボー。 熱演賞といえば、この人。ジプシーの若い娘役の井脇さん。ジプシー女の情念たっぷりな踊りは、そこだけ切り取ってガラ公演で披露できるんじゃないかと思わせるほど、素晴らしかった。いや、鳥肌ものでしたよ、本当に。しかし、脇でキトリとバジルがほとんど”無視”状態でイチャついているのと、妙に対照的で不謹慎ながらツボってしまいましたが。 ドン・キホーテ役の芝岡さんとサンチョ・パンサの飯田芸術監督も、芝居は上手いし存在感たっぷり。役者やのぅ。キホーテが、回る風車を龍と間違え闘いに挑む場面では、進行上の手違いがあったのか、嵐に立ち向かう格好いいキホーテの目の前に、キホーテ人形が落ちて来るハプニングが発生。ま、これも「フェスティバル=お祭り」のご愛嬌…という事にしましょうか(笑) いや~でも本当に、あれもこれも見ごたえたっぷりで楽しい舞台でした。満足です♪ 国内のバレエ団で「ドン・キホーテ」全幕を観たのは初めてでしたが、こんなに楽しめるとは予想外でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.08.03 09:04:37
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