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2021年08月05日
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カテゴリ:横川典視
木曜担当のよこてんです。

 来たる8月9日、今季の岩手での二つ目のグレードレース・クラスターカップが行われます。
 第1回クラスターカップが行われたのは1996年。この年にオープンした“新盛岡競馬場”、OROパーク盛岡競馬場の最初のJRA交流重賞がこのクラスターカップでした。

 岩手で行われるグレードレースは現在三つ。ダービーグランプリも以前はグレードレースでしたので、かつては年間四つのグレードレースが岩手で行われていたわけですが、そのダービーグランプリとマイルチャンピオンシップ南部杯はもともと水沢競馬場で行われていた地方競馬の交流重賞をダートグレードレース化した形ですのでOROパークができる前から存在していたレース。また、マーキュリーカップはOROパーク開場翌年の1997年に水沢競馬場において新設されました。なので、岩手のグレードレースの中でクラスターカップのみが“OROパークと生まれを同じにしているレース”ということになります。

 途中2年間、水沢競馬場で行われたことがありますが、おおむね“クラスターカップの歴史はOROの歴史”と言っていいでしょう。という事で今回は過去25回のクラスターカップでの印象的なレースを振り返りながらレースの歴史をたどってみよう・・・というお題。

■第1回(1996年)優勝トキオクラフティー
 この時は自分は一ファンとしてレースを見ていましたが、まあなんというか“衝撃的”でしたね。
 トキオクラフティーはクラスターカップの後に東京盃も制していますし、例えばデビュー戦・2戦目の特別戦を連勝して3戦目のオープン特別でも2着、4戦目は初芝の菜の花Sを勝っていたりしているのですからただ者では無いのは確かなのですが、とはいえクラスターカップ参戦時点では重賞で8着・15着と連敗、オープン特別でも7着・2着という成績。JRA重賞勝ち馬も複数いるなかではいくら若い勢いがあっても・・・と思っていたのがそんなベテラン古馬勢を一蹴する勝利。それもできたばかりのOROパークダート1200mにその名を刻みつけるレコード勝ち。地方とJRAの“短距離路線の層の違い”を感じさせられた記憶です。


★第3回(1998年)優勝ファーストアロー


■第5回(2000年)優勝ゴールデンチェリー





 クラスターカップ初の“地方馬優勝”。ただし「“”」を付けたのは、ゴールデンチェリーはJRA時代にはオープンまで行っていて、その後地方の名古屋競馬に移籍していた馬だから。デビューから地方競馬という“生粋の地方馬”というわけではありません。
 第2回のトシヴォイスや第3回のファーストアロー、その時点で重賞初挑戦という馬にあっさり勝たれて、クラスターカップで地方馬が勝つのは難しい・・・と思い始めていた時のこの勝利は、例えそれが元JRA馬であったとしても嬉しかったですね。


■第7回(2002年)優勝サウスヴィグラス



 のちの大種牡馬のただ一度の盛岡参戦となったのがこの時のクラスターカップでした。当時既にダート短距離路線に確固たる地位を築いていたサウスヴィグラスは、同じく当時売り出し中のディバインシルバーとの競り合いを制して優勝。トキオクラフティーが打ち立てていたレコードを大きく縮めるおまけ付きの、さすがの貫禄Vでした。
 残念ながらこの後故障してしまい、同年に行われた盛岡JBCのJBCスプリントには参戦できませんでしたが、無事出走できていれば当然この馬が最有力候補だったでしょう。


■第8回(2003年)優勝ディバインシルバー




★写真は2004年と2006年。そういえばコースに出て騎乗したりする馬でしたねえ

 前年はサウスヴィグラスに退けられたディバインシルバーでしたが、その天敵がいなかったこの年は前年の鬱憤をまとめて晴らす7馬身差圧勝、それも前年にサウスヴィグラスが作ったレコードタイムをさらに更新するという“完全勝利”を挙げて見せました。
 また、2002年から2006年まで5年連続でクラスターカップに出走し、優勝こそこの年の一度だけでしたが他の4回はいずれも2着、5戦して1勝2着4回というパーフェクトの成績も残しています。
 ディバインシルバーはそして、他の優勝馬には無いキャリアを持っていた馬でもあります。それは「クラスターカップ優勝時点ではダート1400mまでの出走経験しかない馬」という点。
 他の馬は意外に芝マイルとか走っているんですよね。ダノンレジェンドなんかがそうですし、サウスヴィグラスも芝1400とかダートマイルとか使ってます。
 例えばトキオクラフティーやサマーウインドは、距離だけなら1400mまででマイル以上の出走経験が無い状態でクラスターカップを勝ちましたが、前者は芝・ダを行き来していたし後者はデビューが芝。
 その点ディバインシルバーは、キャリアの末期にこそ高松宮記念とかに出走しましたけども、それまではデビューからずっとダートの、それも1000m~1400mまでで戦っていました。こういうキャリアのクラスターカップ優勝馬は今のところ本馬が唯一の存在です。


■第13回(2008年)優勝プライドキム






 2007年・2008年は水沢ダート1400mという条件で行われたクラスターカップ。コース形態が変わったせいか、前年のメイショウバトラー・この年のプライドキムと、スプリンターと言うよりはマイル・中距離馬が活躍していた印象がありました。
 それはさておき、このプライドキムはデビューはJRA、JRA所属馬として全日本2歳優駿を制していた実績馬ですが、クラスターカップを勝った時は船橋・川島正行厩舎の所属馬で、ゴールデンチェリー以来となる地方所属馬の優勝。
 そして、鞍上の川島正太郎騎手はこの年の5月にデビューしたばかりの新人騎手。デビューから3ヶ月、重賞に騎乗することすら初めてという同騎手がいきなりのグレード勝ち。この年もまた“衝撃的”なレースとなりましたね。


■第18回(2013年)優勝ラブミーチャン



 2011年にもクラスターカップに参戦した際は3着だったラブミーチャン。1年あけて二度目の挑戦となったこの年見事V。それも前年の覇者タイセイレジェンドら並み居るJRAの強豪達との横一線の激戦を制しての勝利はこの馬の強さを改めて感じさせてくれるものでした。
 そしてこれが、クラスターカップ史上初の“地方デビューの地方所属馬”による勝利ともなりました。
 ちなみにこの時に手綱を取った戸崎圭太騎手が南関時代の自身のものと同じ柄の勝負服で騎乗しておりますが、当時は地方所属馬の馬主服の規定が無く、地方馬にJRAの騎手が騎乗する場合は本来なら貸服になるところ、“当日限りの服色”として当該の勝負服を使用する申請を受けてのあの勝負服だったとのことです。


■第21回(2016年)優勝ダノンレジェンド






 前年との連覇も史上初なのですが、この年はなんと負担重量60kgを背負って、それで2着以下を寄せ付けない完勝。“化け物”というのはいるものだな・・・と思いましたね。
 この2016年限りで引退・翌年から種牡馬入りした同馬は昨年・2020年から産駒が競馬場で走るようになっています。サウスヴィグラスがラブミーチャンで“親子V”を達成したようにダノンレジェンドにもクラスターカップを勝つような産駒を期待したいところ。
 それはタイセイレジェンドやバンブーエールにも期待できるかな。あるいはラブミーチャンの仔が勝つというのもアリでしょう。まあサウスヴィグラスからラブミーチャンまで10年かかっているんでその辺は気長に・・・。


■第22回(2017年)優勝ブルドッグボス



 レース史上4頭目の地方所属馬勝利、なのですが、岩手のファン的には「ラブバレットが2着になったクラスターカップ」のイメージが強いかもしれませんね。
 ブルドッグボスの勝ちタイムは1分8秒8、2010年サマーウインドの1分8秒9を破る新レコード。しかしラブバレットも同タイムで駆けて2着に食い込んでいたのですから・・・。
 そう。この年のクラスターカップはレース史上初の「地方馬ワン・ツー」の結果でもありました。


■第25回(2020年)優勝マテラスカイ




 日本レコードVが記憶に新しい昨年のレースです。とにかく軽い馬場でこその馬だからという事で盛岡参戦を選んだ同馬でしたが、前日が芝がダート変更になるほどの大雨で、当日は思った以上に回復が早く1レース時点の重からクラスターカップの頃には良まで戻っていたものの、それでも稍重から良になったばかりの馬場であればマテラスカイにとっては十分に力を出せる状況でした。
 2着のヒロシゲゴールドも旧レコードを超えるタイムで走っているんですよね。昨年の盛岡の高速馬場の影響が現れた結果でもありました。


 26回目を迎えるクラスターカップ。注意点としてはやはり砂の入れ替えの影響でしょうか。
 マーキュリーカップの際にも触れましたが、クラスターカップでも、前回の砂の入れ替え前後にあたる2014年と2015年では1秒4、後者の方が時計が遅くなっています。馬場状態等の違いを考慮するとしても、今年もやはり1分10秒を切るかどうか位の決着になるのではないでしょうか。
 一方で、今年のマーキュリーカップがそうだったように、少々深かろうが重かろうが力がある馬にはあまり関係ない、結局力がある馬が有利・・・でもあるだろうと思います。JRA勢有利の傾向はむしろ例年以上になりそうと考えているのですが、果たして・・・。





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最終更新日  2021年08月06日 02時09分05秒



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