ゼオライトで水の不要物が取れる
家庭用浄水器は水道の蛇口に取り付けて使用するが、金属イオンはそれでは取れない。やはりゼオライトしかない。ゼオライトは火山噴出物をその起源とするため、わが国を始めとする環太平洋諸国に多く産出される。その中でも日本は量質共に世界有数のゼオライト産出国であり、最大の利用国でもある。主な生産地は秋田・山形・宮城・福島・北海道・島根・鹿児島などで、国内の埋蔵量は数千万トンとも無尽蔵とも、あるいは日本列島自体がゼオライトの上に形成されているともいわれる。資源の乏しい日本の中で産業分野で利用できる数少ない天然資源である。ゼオライトとは単一の鉱物ではなく、沸石類と呼ばれる一連の鉱物の総称で、天然には約4 0 種類の沸石が知られている。これらの沸石のうち、わが国で資源として利用できるものはクリノプチロライトとモルデナイト、モンモリロナイトおよびそれらの混合物のである。ゼオライトの品質として最も重要な陽イオン交換容量(CEC) はゼオライト含有率にほぼ支配され、日本産では8 5 ~ 1 8 2me q / 1 0 0 g 、インドネシア産では8 0 ~ 9 0me q / 1 0 0 g であった。鉱物が相違してもゼオライト含有率が同等の試料間ではほぼ同程度の陽イオン交換容量を示した。ゼオライトは陽イオン交換能力を持つ為、陽イオン(カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム、水素など)を吸着し保持する。一般的に、この容量が大きいほど養分の保持力が大きいといわれ、肥沃土の高い土壌作りに利用される。石灰の施用はゼオライトにより、土壌の陽イオン交換容量が大きくなるので、多量に施用しないとなかなかpHが上がらない。これが土の性質が変わった証明である。但し、天然ゼオライトは値が張り、100kg当り6,000円相当する為に効果が薄いとする向きもある。代用品に火力発電所から出る石炭灰も使えるが、どんなものだろう。なお、天然ゼオライト製品で焼いていない生のものもあり、価格が少し安くなっている。水の浄化に使用するなら生は使えないかも