|
カテゴリ:カテゴリ未分類
アナログとデジタルの狭間で
約1年以上前から導入が予定されていた電子カルテが、紆余曲折を経て来月から導入される予定となった。当初は5月の連休明けを予定していたので、2ヶ月近い遅れとなった。 導入に際しての構成部会の一員だったため、毎度のように会議にかり出され色々と検討を重ねてきたが、結論から言えば「まだまだ使い物にならない」というのが率直な感想だ。 電子カルテは厚生労働省も積極的に導入を勧奨しており、あちこちの病院で導入する事例が増えている。ユーザーの声はなかなか聞こえてはこないが、賛否両論あり判断に迷う。 ウチの病院は病院向けシェアとしてはそこそこ大きなパイを持つメーカーのものだが、それでも実際に稼働するまでには(まだ稼働してはいないが)数え切れないほどの難題が山積みとなった。 詳細な問題は各病院で色々と違うとは思うのでここでは省略するが、まず困ったのがサブシステムとの連携である。電子カルテは電子カルテソフト単体で稼働するわけではない。薬局や検査室、レセプトなど複数のシステムと協調しながら稼働する仕組みになっている。そうしたシステムと連携がとれなければ電子カルテの存在意義がなくなってしまう。その他にも今まで使っていたオーダリングシステムからのデータ移行や、画像や心電図など今までアナログだったメディアをどのようにデジタル化していくのかが問題となった。 ジタバタしていても導入が決まっている以上それに従うしかないが、パピルス以降の紙の文化(正確にはパピルス紙は「紙」ではないらしいが)がすぐにデジタルへと置き換わってしまうとは到底考えられない。電子ブックの普及率を見てもそうだろうと思う。 いずれにせよ今後電子カルテはさらに柔軟度を増し、よりアナログに近づく方向へと進化するだろう。しかし現在起きつつある混乱が患者さんの不利益とならないようにするためには、職員はもちろん病院やシステム開発に携わる人すべてが一丸となって努力するしかないように思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
うちの病院の電子カルテの温度表はとてもみずらく、記入しにくく、手間がかかります。
あとは、伝票類や写真がまだ電子カルテではなく、以前のとおりなので外来ではいちいちだしてこないといけないのが面倒です。 あと いまだに呼吸器のDrだけが紙のカルテに書き込んでてなかなか電子カルテにしてくれないのも面倒なところです。 (2005.06.07 10:26:30)
コメントありがとうございます。
温度表など見にくさが目立つのは困りものですね。画面という限られた大きさの中で必要な情報をめいっぱい表示しようとするのが却って見にくさを助長しているように思います。 紙カルテを使用し続ける部署もありますが(ウチの場合は眼科とか耳鼻科なんかがそうです)、移行時ならともかく常用されると困りますよね。う~ん、どうしても電子カルテを導入しないといけない理由というのはどういったことからなんでしょうか……? (2005.06.08 10:23:37)
お返事ありがとうございます。
そもそも電子カルテになったのは、情報保護の面を考えて電子カルテ導入になったみたいですが、フルネームさえ分かれば誰のカルテでも見れるようになってますし、、。 年齢不詳のナースとかもカルテを出しちゃえば分かっちゃうし、、、。色んな階の患者さんの情報はすぐにわかっちゃいますね (2005.06.12 10:22:56)
はじめまして。うちもF社の電カル導入して大混乱に陥ってます。現時点では、医療の多様性、複雑性に全く追いついてない欠陥品です。導入すること自体が間違いです。といっても電子カルテと患者という現実が目の前にある以上は使いこなせるようにしなければなりません。
(2005.06.26 18:50:32)
コメントありがとうございます。
電子カルテ導入で感じたのは通常業務がいかにアナログ的であったかという点でした。指示一つにしても口頭であったり2号用紙へ記入したり、それは非常に幅のある受け応えでしたが電子カルテではそのようなことはなくなり、モニタを通じてしか指示と認めてくれません。 診療記録という非常に大事なものですから、機密性はもちろんのこと改竄などを考えれば致し方ないことかもしれません。しかし本来は人間が人間に対して行う行為であり、この混乱で患者さんの容態が悪くなってしまわないか心配です……。 (2005.06.27 09:26:45)
はじめまして。
昨日より、私の職場は電子カルテが本稼動したところです。 時間掛けて準備したのにまだまだ問題点がたくさんあり、どこから手を付けてよいのやら・・・ 患者さんの不利益にならないように!その言葉にはっと我に返った気持ちです。まったくそのとおりですよね。 ですが、今の段階では電子カルテの操作云々で待たされる患者さんも実際いるんです・・・ よりよいシステムにするために、私ももっと努力しなければいけないな・・と思いました。 (2010.01.26 21:04:32) |
|