魚介類に含まれるメチル水銀が胎児に悪影響を及ぼす可能性があるとして、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の専門部会は、妊婦が注意すべき魚介類として、3種類のマグロなど計16種を挙げた。
1回の食事で食べる魚の量を約80グラム(刺し身1人前、切り身一切れ相当)として検討。その結果、妊婦が食べる回数を週2回以下に抑えるのが望ましいとしたのは、ミナミマグロやキダイなどの7魚種。週1回以下は、クロマグロ、メバチマグロ、メカジキなど7魚種とした。また、メチル水銀量が比較的多いコビレゴンドウは2週間に1回以下などとした。
「妊婦以外は普通に食べてもまったく問題ない。妊婦も対象種の食べ過ぎを避けて、魚食の良さを生かして欲しい」と厚生労働省は話しているが、水銀類は体内に蓄積するので安全なはずはない。しかも、日本はマグロブームが続いている。とくに大トロ、中トロと脂の乗った部分が人気だ。そこに最もたまりやすいのである。調査の基準となった「切り身一切れ相当」、そんな少ししか食べるはずはないではないか。マグロづくしに漬けドン、日本人はマグロが大好きなのである。
なぜ、マグロなど大型の魚に汚染物質が多いか不思議に思う人も多いだろう。それは魚介類の生態系の頂点にいるからだ。川から海へ、プランクトンを食べる小魚、小魚を食べる中型、そして大型へと食物連鎖は続く。つまり汚染物質が集積されることになる。そして、地球の生態系の頂点が人類というわけだ。
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