沖縄県・石垣島(石垣市)の洞穴から、旧石器時代の約2万年前の人骨が見つかったと、同県が4日発表した。20代から30代前半の男性頭骨の破片で、年代を直接測定できた人骨では国内最古。測定データの解釈によっては、約2万4000年前の可能性もある。日本人の起源を探る上で重要な手掛かりになると期待される。
琉球大や東京大、愛知教育大、京都大などとの共同研究。論文が日本人類学会の英文誌に掲載される。
発見場所は、建設中の新石垣空港の敷地内にある「白保竿根田原洞穴」。動物の骨などとともに人骨片が9点見つかり、このうち6点からコラーゲンを抽出。放射性炭素(C14)に基づく年代測定を行った。
その結果、頭骨の頭頂部右側の破片が約2万年前、成人(性別不明)の右足第2(人さし)指の骨が約1万8000年前、成人男性の右脚骨の破片が約1万5000年前と推定された。
年代の直接測定で、これまで国内最古だったのは、1960年代に静岡県浜北市(現浜松市)で見つかった約1万4000年前の「浜北人」の骨。人骨が出土した地層に含まれる炭化物の年代を測定する間接的な方法では、沖縄本島の八重瀬町の「港川人」が約1万8000年前、那覇市の「山下町第一洞人」が国内最古の約3万2000年前と推定される。
研究チームの米田穣東大准教授によると、約2万年前は最終氷期でも最も寒冷な時期で、現在より海面が低かった。人類が朝鮮半島から九州へ渡ったり、台湾から石垣島へ移ったりするのが容易だった可能性があるが、移動ルートは不明。また、その後の縄文人の祖先かどうかもはっきりしない。(2月4日 時事通信)
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最終更新日
2010年02月04日 22時27分36秒
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