|
テーマ:お勧めの本(7217)
カテゴリ:お勧めBOOK
バーティミアス(3)プトレマイオスの門2005.11/単行本638p
◇内容◇ ゴーレム事件から3年──、ナサニエルは17歳で帝国政府のトップ7の仲間入りをしていた。だが国の情勢は不安定だ。長びくアメリカ侵攻に出口が見いだせない政府に、一般人たちがついに大規模な抗議運動を起こそうとしていた。そんななか、元同僚のクライブ・ジェンキンスが不穏な行動をしていることを知ったナサニエルは、またしてもバーティミアスを召喚。追跡調査を命じられたバーティミアスは、なんらかの陰謀が進んでいること、またそれを動かしている人物の正体をつきとめるのだが、敵の妖霊に追われ、瀕死の状態でナサニエルの元に戻ると、いったん異世界へと解放される。しかし次に、バーティミアスが召喚されたとき、その場にいたのはナサニエルではなく、なんと少女キティだった!? そして、そこからクーデターをくわだてる敵との本当の戦いがはじまる──。 ***************************** バーティミアス(1)サマルカンドの秘宝 バーティミアス(2)ゴーレムの眼 に続く、最終章の『プトレマイオスの門』です。 ここにたどり着くために1巻、2巻があったと言っても過言ではないくらいの仕上がりの高さ もちろん、1巻づつ話は句切られているのですが、この最終章を読むために今までの話を読んできたようなもの。、、とても、面白くそして、ありえないくらい潔い終わり方なのです。 バーティミアスが一巻の『サマルカンドの秘宝』から、ず~っとエジプトの少年の姿でいた理由がここで明らかになります。なんとも悲しい物語がそこにはありました。 本タイトルの『プトレマイオス』というのが、実はこのエジプトの少年。少年は、どうにか人間と妖霊が対等な立場で仲良くできないかという研究をしていました。そして、人間が妖霊のいる異世界にはいる門を探し当てたのです。今回は、これがキーワードとなります。 17歳になった、ナサニエル。良心を取り戻し、敵に立ち向かう様が「一巻で嫌な奴だと思ってごめんね」と思ってしまいました。。。そして、なんといっても今回の見せ場は、人間の体に妖霊を取り入れての戦略。そう、ナサニエルの体にバーティミアスが入って、強敵に挑んでいきます ******************************* <総評>★★★★★ 子供だけではもったいない。大人も充分楽しめる、質の高いファンタジーです この本を120%満喫するには、『サマルカンドの秘宝』、『ゴーレムの眼』、『プトレマイオスの門』 と、全巻読破すること。「うそ、うそ、本当にこれで終ってしまうの!?」と驚きながら最後を読むのですが、その終わり方はとても切ない そして、気持ちいいくらいの潔さ 魔術師になる過程の生意気なナサニエル、役人になった後も本当の自分を見せず背伸びするナサニエル、そして権力だけでなく良心が目覚めたナサニエルの活躍。彼を、バーティミアスやキティという脇役陣が支えながらの物語は、私たちを別世界へと連れて行ってくれること間違いなしです お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[お勧めBOOK] カテゴリの最新記事
|