懐かしの将棋ゲームを攻略しよう:第95回 SFC風林火山(10)
1993年に発売されたスーパーファミコン将棋ソフト風林火山には5人のプロ棋士の戦法講座が2つづつ、計10の戦法が紹介されている。これらの戦法は実際にプロ棋士を模したキャラクターとの対戦で登場することもある。林葉直子元女流はこのソフトの発売後2年後に突然退会し、将棋界を去ってしまう。それでも彼女を模したキャラクターは当時の将棋ゲームに数多く登場し、その人気の高さがうかがわれる。さて今回彼女が紹介する▲5六歩型中飛車は原始中飛車臭さを抜きつつも、角交換をいとわず、8筋も受けないという非常に力戦型の中飛車でなかなか真似できるものではない。ただびっくり度としてはすでに紹介した初手▲3六歩戦法や初手▲9六歩戦法には及ばない。▲5六歩 △3四歩 2手目では△3四歩で当時としてはごく普通の手なのだが、ここ最近ネット将棋では初手▲5六歩には△5四歩とし、相中飛車にする指し方が結構頻繁に登場する。これによって初手5六歩は力戦将棋の入り口となった感がある。▲5六歩 △5四歩以降、▲5八飛、△5二飛 ▲6八銀 △6二銀 ▲5七銀 △5三銀 ▲6六銀 △6四銀と進行すると(参考1図)相原始中飛車でかなり激しい将棋となることが予想される。参考1図(△6四銀まで)本譜に戻り、△3四歩以下▲5八飛 △5四歩 ▲7六歩 △6二銀▲4八玉 △4二玉 ▲3八玉 △3二玉 ▲2八玉 △5二金右▲3八銀 △8八角成 ▲同 銀 △8四歩 ▲7七銀 △8五歩▲5九金左 △4二銀 ▲5五歩 △同 歩 ▲6六銀 △8六歩▲同 歩 △同 飛 ▲7七桂 △8九飛成 ▲5五飛 △9九龍 後手の△9九龍では △4四角が有力(△3三角、△2二角もある)で以下、柿木将棋VIIに指し継がせると▲8五飛 △同龍 ▲同桂 △8二飛 ▲8三歩 △同飛 ▲8六歩△8八歩 ▲5六角と進行し、(参考2図)163手で先手が勝った。参考2図(▲5六角まで)本譜の進行でも先手はぎりぎりの戦いである。△9九龍以下▲8五飛 (第1図)第1図(▲8五飛まで)この第1図に至るまでも変化の宝庫でそれを探っていくだけでもかなり面白そうである。次回はここから先手番で指し継いで勝利を目指したい。