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2005.06.13
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テーマ:戦争反対(1187)
カテゴリ:藝術道
出張先の広島市現代美術館で、素晴らしい展覧会にめぐり合いました。



被爆60周年特別展「そして、未来へ―ヒロシマ賞受賞作家のまなざし」

広島市は、世界の平和と人類の繁栄を希求する「ヒロシマの心」を
美術を通して広く世界へと伝える作家を選考し、1989年から3年に一度、
ヒロシマ賞を授与してきました。

これまで三宅一生、ロバート・ラウシェンバーグ、ナンシー・スペロ、
レオン・ゴラブ、クシュシトフ・ウディチコ、ダニエル・リベスキンド
の6人の作家がこの賞を受賞し、当館で受賞記念展覧会を開催してきました。

このたび、広島市が被爆60周年を迎えるにあたり、これを記念して
これらの作家の受賞後の活動を一堂に紹介し、ヒロシマ賞受賞後
「ヒロシマの心」を展開させていった作家たちの活動の軌跡を辿ります。

                 <広島市現代美術館webより>

そして驚くべき作品に出会いました。

クシュシトフ・ウディチコ氏が1999年に制作した
Public Projection in Hiroshimaという作品です。

原爆ドームのたもとの土手に、人の手が大写しにされて、
あたかもドームが人になったように話しかけてくるのです。





その作品を記録した、たった6分間のフィルムに釘付けになりました。

真っ暗な中、たった1人で、
その映画を見ていると、

ヒロシマの人々の手振りに見とれ
その独白に耳を傾けていると、

やがて、それが原爆ドームの
つぶやきのように聴こえてきます。

そして....

地球上で最後の人類になったような、
あるいは最後の裁きの神になったような、
もしくは最果ての宇宙人になったような

なんとも不思議な気分になって、
人類の悲しさ愚かさを思い知り
胸が締め付けられるのです。


最初に現れた手は、自転車の鍵を持っていました。

被爆地で、父の遺体を探すときに、
その自転車の鍵と金歯だけがたよりだったそうです。


次に現れた手は、せわしなく動きながら、
米軍幹部と会った時の話をしていました。

「原爆投下は間違っていなかった。
 原爆があったから米国の2万人が救われた」

そんな発言を嘆き怒り震えていました。


しかし、本当に恐ろしいのは
次の手なのでした。

おそらく現代を生きる女子学生でしょう。

彼女は、テレビで湾岸戦争を見て戦争を礼賛する
祖父に違和感を感じて口をはさむと、
逆に怒られてしまっておびえています。

彼女は、学校でいじめにあって
同級生に死ね死ねと言われ泣いています。


あれほど悲惨な目に遭って、
平和を祈念しているヒロシマの人の中にも
実は「戦争をよし」とする人がいるのです。

仲間はずれをつくっては
いじめる子どもがいるのです。


ヒロシマの中にも、
あたかも世界の相似形として

未来の戦争を引き寄せる人が、
見えない戦争をしている人が

実は潜んでいるのかもしれません。




このフィルムの最後に....

何を思ったのか、原爆ドームは、
コップの水を、目の前の川に注ぎ込むのです。

あまりに美しく悲しいエンディング。

原爆ドームは何を水に流したのでしょう。

それとも泣けないドームの涙なのでしょうか?


この展覧会は、6月26日まで開催されています。
お近くの方は、ぜひ足をお運びください。




また、記録映画もDVDになっていて、
WEB上で予告編も見ることができます。

それにしても残念です。

この6分のフィルムだけでも、
美術館のWEBからダウンロードできるようなれば、
ヒロシマ賞の意義を多くの人に知ってもらえるでしょうに、


 ▼そして、未来へ ―ヒロシマ賞受賞作家のまなざし
  http://www.hcmca.cf.city.hiroshima.jp/exh/special/h17sp2/h17sp2.htm

 ▼パブリック・プロジェクション、ヒロシマ、1999年8月 報告書
  http://www.hcmca.cf.city.hiroshima.jp/menu/framemenu.htm

 ▼DVD「Projection in Hiroshima」クシュシトフ・ウディチコ
  http://www.ufer.co.jp/ufer/wodiczko/


久米 信行縁尋奇妙
http://kume.jp/
http://t-galaxy.com/news/
http://jentle.co.jp/
http://t-galaxy.com/






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Last updated  2005.06.14 21:03:04


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