2006/11/09(木)19:39
レビュー#191 JACQUI MCSHEE'S PENTANGLE 《PASSE AVANT》 99年英国
The House Carpenter (England/Child#243)
The Nightingale
Gypsy Countess (Child#200)
That’s The Way It Is (Matt’s Song) (Conway/Cozens/McShee)
Jardin D’amour (lyrics trad/music Pierre Bensusan)
We’ll Be Together Again (lyrics Frank Laine/music Carl Fischer)
Edsong (Conway/Cozens/McShee)
Lagan Love (Ireland)
Midnight Dance (Aging Salomi) (Conway/Cozens/McShee)
Just For You (Song For Cath) (Conway/Cozens/McShee)
Jacqui McShee
vo, clapping
Gerry Conway
ds, per, programming, clapping, dhumbec
Spencer Cozens
p, key, vo, programming, clapping
Alan Thomson
b, a-g
Jerry Underwood
soprano sax, tenor sax
John Giblin
b, double-b
Miles Bould
per
Alan Randall
clapping
ジャッキー・マクシーズ・ペンタングル名義での最初のアルバム、なのでしょうか。最近久々の新作を出したようですが、何作目だとかリリース状況なんかはあまり気にしてないのでいい加減です。
ペンタングルとはなっているけどオリジナルメンバーはジャッキー・マクシー1人だけ、ほかも知ってるのはジェリー・コンウェイだけだなあ。
鍵盤奏者とラッパ吹きが正規メンバーにいるところからしてすでにオリジナルとはまったくの別物と気付くことと思います。
プログラミングを施している曲もいくつかあって、かつての生ギタービシバシサウンドを期待してはダメですよ!
もうね、ペンタングルの名前を借りた別バンドとしっかり頭に刻み込んだ上で聴くようにしないと、谷底に落っこちます。
1曲目は30年前の「バスケット・オブ・ライト」でもやってましたねえ。
バート・ヤンシュとの掛け合いシンギングがクールだったあちらに対し、こちらではジャッキーがサックスとピアノにのせてゆったりと歌っています。
ほかの曲も鬼気迫る感覚はほとんどなくて、こりゃおっされーな大人の音楽だなあ。メイン楽器はギターなどとは言ってられず、鍵盤です。それも明らかに電子楽器とわかる音色が登場しまくりですよ。
アメリカ人ナイスミドルがディナーショーで歌っていたり、ジャズバーでしっとりとした黒人女性が歌っていそうな雰囲気の曲がぽこぽこ出てきましてね、うーん、AOR? アダルトでおされで都会的…AOTかしらね!
そんな大人サウンドがどうしてドノヴァンの次にやってくるのかと言いますとね、それは3の存在なんですね。
ドノヴァンが“クイーン・マブ”のタイトルで取り上げた曲と同じく、これも旋律は“ラグルタグル・ジプシーズ”そのもの。
ウォーターボーイズやプランクシティも演奏した、夫も家も捨てて流浪人の元へ走る女性の物語です。
それにしてもジャッキーはおばちゃんになっても美声だなあ。
20代の頃に比べれば音域は若干下がっているけども、50代のご婦人らしくかすれたりもしていないし、聴いてすぐ本人とわかります。
ま、何度も言うようジャッキーじゃない人が歌っていたらペンタングルのペの字も出てこない音楽ですがね。