カテゴリ:90年代男性グループ
86年に結成されたパトリック・ストリートの96年のスタジオ盤。 メンバーはファースト発表時(86年)からいるケヴィン・バーク、ジャッキー・デイリー、アンディ・アーヴァインの3人に本作から新加入のジェド・フォリー(自己中読み)の4人。 各人がこれまでに関わってきたバンドを挙げてみるとボシィ・バンド、デ・ダナン、アーカディ、プランクシティ、スウィーニーズ・メン、バトルフィールド・バンドとアイルランド音楽を語る上では外せないものばかり(バトルフィールドはスコティッシュだが)。 つまりはビッグネームばかりが集っているわけだが、趣味レベルの同窓会ワールドは築いていないところはさすがだ。演奏の技力に衰えは見られず、アーヴァインの歌声も20代の頃とほとんど変わっていない。喉ばかりは加齢に逆らえないシンガーが多い中、この艶やかな歌唱にはちょっとばかり驚いてしまう。 アンサンブルはこの世界に入って長い4人らしく非常にこなれたもの。 新人バンドの「ずれている箇所があるような気がしないでもない崖っぷちアンサンブル」を聴いている時のようなほほえましい緊張感は当然なく、同じ緊張するにしてもケルトの持つ郷愁パワーが髄まで作用して内面から震えるというか。 少しオーバーだけれども、ベテランが陥りがちな「悪くはないんだけどこれだけを集中して聴く気にはなれないなあ」というBGM用アルバム状態にはなっていないから安心して聴いていられる。 収録曲には非トラッドもそれなりにあり、歌入りは4曲(メドレーは1曲としてカウント)。 歌入り曲はそれこそ“うたごころ”満載といった感じの優しさで、ジグやリールにもガツガツした力技はあまり含まれておらずたとえばボシィなんかと比べると音像はずっと柔らかい。 イーリアンパイプの代わりに蛇腹を投入したプランクシティをもう少し現代風にして哀愁味を加えれば、なんちゃってパトリック・ストリートが出来上がりそうだ。 現時点での最新作は2003年の「ストリート・ライフ」。今年(2005年)に入ってから14曲入りのベスト盤も発表された。 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/11/03 05:59:48 PM
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