あともう一本!
4ピリ残り26秒。92対29”もう一本!”S平の右手人差し指が、総スポの高い天井を指しました。完全に負けムードもう一本入れたところで、敗退決定という状況…ブザーが鳴る間際、S平からのフェイントパスが鮮やかに3年生に渡り、ゴール。92vs31昨日の中バス9中vs8中のビデオを観ていてそんなシーンがありました。あの場面で、まだ終わっていない!もう一本入れてやる!と、最後まで戦いきろうそする意欲のある、選手、ベンチ、指導者、一体何人いただろうか?ま、勿論S平も、我が家で設定した100vs30という勝利設定があったからあの状況で、あともう一本!につながったと思いますが、設定が無ければ、いつものごとくまだ終わっていないのに、試合途中で泣いていたと思いますけどね。だから、勝ちに行くなといっているの。勝ちに行くと、負けが決定的になった瞬間に、戦意喪失で全てが終わります。まだ、ゲームは続いているのに…プロならね、負け試合は次の試合のため、余計な体力を使わないって言うこともあるかも知れません。年間の試合数を考えれば、負け試合もありますよ。でも、きみたちゃ、部活動だよ。勝つことで、金銭的な報酬があるわけではないし、生活もかかっていない。ま、報酬があるとすれば外からは見えないけれど、心の満足感であったり仲間と一緒にプレーして、最後まで自分達の精一杯が出しきれたときの充足感であったりと、そういうことかもしれません。でもね、君達はまだ、精神的にも、肉体的にもまだまだ発展途上。成長過程にあるの。今後、肉体的にももっともっとたくましくなるし技術的にも向上し精神的にももっともっと強くなる可能性があるのです。にもかかわらず、過度に勝利にこだわり負けが決定的になった瞬間に、戦意喪失⇒自滅なんてことを繰り返していたら大きくなる途中で、枯れちゃうよ。大人になってね、ちょっと、嫌なことがあったり高い壁に出くわしたときに、逃げ出しちゃうよ。って言いたい。親暦16年。はっきり言ってまだまだ未熟な親ですが、最近、私の役目は子供達の、心の満足感というものを満たしつつさらに、もっとやりたい!もっとうまくなりたい!もっと強くなりたい!という向上心を刺激することであるのではないか?と、つくづく思うのです。結局のところ、大人になっても、こういうことの繰り返しだからね。まだまだ、中学生という、ちっちぇ器の段階で諦め癖がついたら、さらに小さくなるだけ。少しずつ、強く、大きく、たくましくを、手を加えながら繰り返していくうちに今度は、自ら勝手に成長していくものだと思っています。成長過程の中学生には勝ちにこだわりすぎると、どこかでずっこけた時に立ち上がれず、後々引きずるぞ。私はそう思います。