市販ゲームのグラフィックがしょぼい時に「まるで同人ソフトみたいなグラフィック」と表現する場合がありますよね?
で、最近思うのですけど「同人ソフトレベルのグラフィック」って、どの程度のものなんでしょうか?
基本的に差がほとんどないのはノベル系のソフトです。これは開発ツールが基本同じ(フォトショップとNスクリプトなど)で、後は個人の画力の差が出るからですが。それに、エロゲーの開発は5人程度で半年、なんてのはザラですので、やっていることはほぼ同人と変わらないといっても過言じゃないかと・・・
アクションゲームに関してですが、こちらはハードスペックの差が大きいですね。例えば、今の時代に2D格闘ゲームを作るとなったら、正直PC開発の同人の方が有利です。何しろ一世代前のコンシューマ機をはるかに凌駕するスペックが標準で使えますし、解像度、メモリ、容量その他いろんな意味で家庭用ゲーム機より制約がありませんから。ただし、こちらはキャラの動きのパターンや技のモーション数が正直、趣味で作るには厳しいデータ量になっており、ぱっと見た印象はプロっぽくても動かして見るとしょぼい、などというケースは往々にしてあります。また、格闘ゲームに限らずジャンプアクションなどもザコキャラなどがかなりしょっぱい作りになっている事が多いです。この辺は敵の思考パターンにも言えるのですが。
さて、同人ソフトの最近の花形でもあるシューティング(縦横スクロールの)こちらに関しては・・・正直、同人ソフトが上回っているかと(W.と、いうのが、最近メーカーが作ってくれない、というのが大きいのですよね。CAVEなどのメーカー以外、売れないから出させてもらえてない。それに対してマニアが自己開発でガンガンと趣味を投入できるこちらのジャンルは完全に喰われている、といっても過言じゃありません。また、アクションゲーム同様にハード制約がないPC環境のため、一昔前なら考えられなかったエフェクト効果を多用したり大量の弾幕をばら撒いても処理落ちしなかったり。やりたい放題できる分、同人の方が表現の幅は広いかもしれません。
こうやって考えると「同人レベルのグラフィック」と揶揄される同人ソフトのレベルがどんどん上がっているんですよね。っていうか、プロが直接開発に携わっていることも多くなりましたし。(私のサークルの同人ノベル
めぐみくみっくすもメイン絵師さん以外、アニメーターさんだったりゲーム開発者だったりと何らかの形でその辺のプロですから)それに同人の世界では「プロ並みの作品を作ると目立つ」ということもあるので、余計に注目作品はレベルが高いので、まるで全てがそのレベルであるかのような錯覚にも陥りやすいですし。
いずれにせよ、プロの商業活動のような制約がない分、面白い表現手法(2次著作パロディーなども含めて)が出来るのは羨ましくもあり。
もっとも、トータルな水準ではまだまだ差はありますけどね。これはプロの意地です。