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ファーマータナカのデイリーリポート

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2010年02月11日
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カテゴリ:病害虫

2月は一般的には農閑期である。
そういえば、飲食業をやっていた時も、俗にニッパチ(2月と8月の事)といって、客足が途絶えて暇になり、売上が落ちる時期だと言われていたのを思い出す。

その農閑期を狙ってか否か、業者も行政も農協もその他諸々が、この時期に、集中放火的に、予定を垂れ流してくるのはいただけない。
故に、ファーマータナカの現実は、収穫選別出荷箱入袋入出荷配送宅急便播種定植洗浄殺菌防除栽培管理資材発注等ルーティーンワーク以外に、処理能力を超えた無理難題山積、予定行事研修事業(補助事業)販促決算申告商品開発読書映画音楽飲酒惰眠と目白押しで、まず予定表作成のための予定を立てるだけで厖大な時間がかかり、1日が終わってしまう程だ。

ということで、ブログの更新もままならず、ちょっとご無沙汰している次第なのである。
ここは頑張って1つ位書いておこう。
(書きたい事は山程あるが、書く能力が欠如していることへの本人の自覚がない事が最大の問題だ)

今日のテーマは「ファイトアレキシン」だ。
植物は病原菌による感染を受けたときに,被害を最小限に食い止めるために様々な防御反応を発動さるが、この病原菌に感染した植物によって誘導的に生産される低分子(分子量が100~500ぐらいのものが多い)の抗菌性物質の総称をファイトアレキシンと呼ぶ。
エンドウのピサチン、インゲンマメのファゼオリン、ダイズのグリセオリン、ジャガイモのリシチン、イネのオリザレキシン( イネからは15種類の化合物がファイトアレキシンとして報告されている)など現在までに約200種以上の物質が知られている。 

ファイトアレキシンは健全な細胞中には含まれていない物質で、細胞が微生物の攻撃を受けると、その時にできるエリシターという物質に反応し、防御反応を引き起こさせる遺伝子を活性化して、ファイトアレキシンを発生させる。
実際は、病原菌は、やられるまえにファイトアレキシンの生産を抑制するサプレッサーという物質を出して、あらかじめファイトアレキシンを押さえようとするらしいが、病原菌と植物の人間には見えないこの戦いは驚きだ。

我々に最もなじみのあるファイトアレキシンは、ダイコンが出すアリルイソチオシアネートだ。
ダイコンおろしをつくると、ダイコンには独特の辛みが加わるが、この辛みの正体がアリルイソチオシアネートで、アリルイソチオシアネートは、ダイコンが虫に食害された場合に、虫に食べられないよう、ダイコン自身が作り出すいわば毒物だ。
人間にとっても毒性があり、大量に摂取すると肝機能、腎機能障害を起こすとされているが、実際には人間は体が大きく、摂取量がわずかであるため、安全性に問題はないとされてはいる。

しかしファイトアレキシンの中には危険水準に近いところまで分泌される作物もあるということだ。

他には、硫黄化合物のアイリンをたくさん含んでいるものに、ネギ、ニンニク、ニラ、チャイブ等のネギ族の植物がある。
これらの植物に傷をつけると、強烈なにおいがするが、アイリン分解酵素によって、、ファイトアレキシンのアリシンを発生させ、細菌、糸状菌に対して抵抗する反応なのだ。
ニンニク1gの中には、5~20mgのアリシンが含まれている。

又食物ではないが、バラ科の植物には、アミグダリンという物質があり、病原菌の進入を受けると、酵素反応によって分解され、ファイトアレキシンとして青酸を発生させ、菌に有毒に働くことで、バラ自身、多くの病気に対する抵抗性を持っているということだ。

問題は抗菌物質は加害する病原菌にとって有害なだけでなく、これらいくつかの抗菌物質は人間にも有毒なことが知られていることだ。
又、最近の研究では、病害虫に侵された作物には食物アレルギーを引き起こす物質(たんぱく質)がかなり増加していることも分かってきている。
その上、植物に被害を与える病原菌が人にも影響を与える毒素(かび毒)を作る場合もある。
例えば麦類につく赤かび病はデオキシニバレノール(DON)というかび毒を作り、DON は動物実験で成長抑制、体重低下、免疫抑制等健康への影響を与えることが確認されている。
また、熱帯から亜熱帯地域にかけて生息するかびの一種、アスペルギルス・フラバスなどが生成するアフラトキシンには、強い発がん性があることが知られている。
アフラトキシンは少なくとも13 種類に分かれるが、そのうちのB1 というのが毒性が最も強く、食品からは検出されてならない、とされている。

そういえば、話題になったものに「奇跡のりんご」というのがあった。
いい顔をしておられるし、ファーマータナカなんぞ足元にも及ばない、努力と信念の方であろうとは容易に想像できる。
ファーマータナカはあいにく立ち読みしかしていないので、確定的なことは言えないが、このりんごは腐らないという。
今日のテーマにあてはめて考えてみると、無肥料無農薬という植物にとって過酷な生育環境下では、自己防衛機能が高められ、その結果として天然の農薬とも言える抗菌性物質を植物が自分の中で生成するため、腐らなくなったのではないかとの推論も成り立つ。
(この件は又改めて書けたらと思う)

奇跡のりんご

ファーマータナカの問題提起は現代社会、特にマスメディアにおいてますますエスカレート
する善悪2元論的価値観だ。
食や農業とは直接関係ないが、卑近なものでも、小沢問題、朝青龍問題等々同根だと思えてならない。
そういう中、人間がベストではなくても、少しでもベターな判断ができていくよう、ほんのわずかでも立場を変えた情報提供ができればと思うのだ。

食物の安全性についても、自然、天然、無農薬無化学肥料、有機栽培という片方だけが絶対善であるか、読者の皆さんの判断の一助になれば幸いである。

人の心配をするより、自分の心配をと天の声がするので、ひとまずこの辺で。






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Last updated  2010年02月12日 07時42分16秒
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