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佐遊李葉  -さゆりば-

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2016年03月02日
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カテゴリ:羅刹
 斉子女王と和やかに歓談している道雅には、何のおかしなところもなかった。

 話し振りにはそつがなく、立ち居振舞いも名門の貴族らしく優雅で洗練されており、微かに笑みを浮かべた顔は若々しく好感が持てるほどだ。

 この人が本当に人間の肉を喰らうというのだろうか? 

 まさか。

 だが、道雅の眼差しにある光だけは、どこか得体の知れない感じがして、能季はどうしても自分の心の中がざわめくのを鎮めることができなかった。

 斉子女王の方はどうだろう。能季はそっと隣を盗み見た。

 斉子女王はすっと背を伸ばして端坐し、静かな面持ちのまま道雅に言葉を返していた。

「頼通様からの文は届きましたか」

「はい、今日の明け方に。何でも、頼通殿のからの願いで、わざわざ常盤の御寺へ詣でられるとか。あそこは確か、小一条院の別荘があったところですな。院が亡くなられた後は、その菩提を弔うため寺に直されたと聞いておりますが」

「ええ。頼通様の夢枕に、このところ三晩続けて亡くなられた小一条院がお立ちになり、様々な恨み言をおっしゃったのだそうです。陰陽師に占わせたところ、それは小一条院の御霊(ごりょう)の障(さわ)りなのだとか。でも、故院は生前大そう可愛がっていたわたくしに会いたがっておられるので、故院の御霊が祭られている常盤の御寺に詣でて、わたくしから懇ろに供養すれば、頼通様への障りはなくなり、夢にも現れなくなるとのこと」

「それであなた様が寺詣でに」

「はい。父君の御霊がわたくしの供養くらいで慰められるのなら、いと容易いこと」


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最終更新日  2016年03月02日 15時06分18秒
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