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佐遊李葉  -さゆりば-

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2016年06月21日
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カテゴリ:羅刹
 釣殿の上を吹きぬける夜風が少し冷たい。

 能季は袖を掻き合わせて腕組みしながら、欄干にもたれて遠くの寝殿に目をやった。

 父が外出しているせいで、父付きの女房たちも自分の局に下がっているのだろうか。

 寝殿には明かりが見えず、群青の暗い空の下で重々しい桧皮葺の屋根が鎮まりかえっていた。

 ただ、撫子色の装束を身につけた年若い女房が一人、手に紙燭のようなものを持って簀子を通っていくのが見える。

 その袿の色に、能季の胸は急に締め付けられるように痛んだ。

 斉子女王は今頃どうしておられるだろう。

 私と同じように、今夜の名月を小一条院の軒端越しに眺めているのだろうか。

 能季は胸の痛みを止めようとするかのように、腕組みしていた両腕を強く胸元へ押しつけた。


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最終更新日  2016年06月21日 15時23分01秒
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