213276 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

佐遊李葉  -さゆりば-

佐遊李葉 -さゆりば-

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

vyゆりyv

vyゆりyv

カレンダー

カテゴリ

カテゴリ未分類

(0)

露野

(129)

心あひの風

(63)

孤舟

(59)

かるかや

(68)

蒼鬼

(253)

光明遍照

(53)

山吹の井戸

(52)

きりぎりす

(217)

遠き波音

(50)

羅刹

(193)

コメント新着

vyゆりyv@ Re[1]:羅刹 -193-(10/05) 千菊丸2151さん いつもお読みいただいて…
千菊丸2151@ Re:羅刹 -193-(10/05) 是非このブログを残してください。 ゆり様…
vyゆりyv@ Re[1]:羅刹 -192-(09/14) 千菊丸2151さん だらだら更新に最後まで…
千菊丸2151@ Re:羅刹 -192-(09/14) 漸く完結しましたね。 ちょっと後味が悪い…
vyゆりyv@ Re[1]:羅刹 -190-(09/08) 千菊丸2151さん 花山院皇女は惚れた弱み(…

サイド自由欄

QLOOKアクセス解析
2016年06月22日
XML
カテゴリ:羅刹
 あの夜、三条の師実の屋敷を辞した能季は、その足ですぐに斉子女王を預けていた高陽院へと向かった。

 ところが、高陽院に着いてみると、斉子女王は先ほど強いて願い出て、小一条院へ帰ってしまったという。

 能季には、斉子女王からの文が一通残されていた。

 御座所に備え付けの白い檀紙に、さらりと書き流された美しい手蹟でただ一行。

 あなたのお役に立つことができて嬉しかった、これでもう思い残すことはない、と。

 もちろん、能季は翌朝すぐに小一条院へも行ってみた。

 だが、斉子女王は姿を現さず、応対に出た瑠璃女御も今後はこちらへ来るのは遠慮して欲しいと言う。

 その後も、諦めきれずに何度かご機嫌伺いに行ったが、いずれも同じことだった。

 斉子女王はすでに、もう二度と能季には会わないと、自ら決意されたのだ。

 あの夜、道雅との間に何があったのか。

 それが能季にも会えないと思うほどに、斉子女王を傷つけてしまったのだろうか。

 それとも、これから先も実ることのない二人の縁を、自らのその手で永遠に閉じられたのか。

 能季の中にまだ美しい思い出だけが残っている、今この時に。


にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ
↑よろしかったら、ぽちっとお願いしますm(__)m





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2016年06月22日 14時04分01秒
コメント(0) | コメントを書く
[羅刹] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.