ある小学校の学級崩壊 解決例
ある小学校2年生のクラスで、毎日のように親からのクレームが 入るということで、そのクラスにサポートに入ることになった。 担任は、あと数年で定年を迎えるベテランの男性教諭ですが あまり担任をもたずにきた教師である。 ADHD(注意欠陥性多動性障害)の疑いのある男の子が1人いました。 いつも男の子2人が廊下で遊んでいて、あと数人がうろうろしている 状態でした。 まず、廊下にいる2人の男の子を無理矢理学級にいれるのではなく、一緒に遊んでみました。 制限を与えることなく、やりたいようにやってみる。 他の子どもたちと遊ぶと、うまくできないと暴力や暴言をはいて問題になる。 ADHDの疑いのある男の子と一緒に滑り台とブランコ、鉄棒で遊んでみました。 すると、ブランコができないのです。 後ろから押してあげると、しだいに コツをつかみブランコが自分でこげるようになった。 滑り台が滑れるようになった。 鉄棒も補助してあげると逆上がりもできるようになったし、ボールもほれるように なった。 すると、今まですぐにイライラして周りの子どもたちとけんかしてたのに うまく遊べるようになりました。 母子家庭で家ではよく叱られていました。 何でも うまくできないといけないとか、プライドがあってできないことにイライラすると いった感じでしたが、親にも保育園でも遊び方を教えてもらうことができずにいたの です。 もう1人の男の子は、両親が共働きであまりかまってもらえず、学校で甘える という行為になったのでした。 先生の方はどうかというと、校長先生、教頭先生が、毎日放課後指導されていました が、何を言っても訴えても、全く改善しないと言って私に何とかしてもらえないか?と 依頼がありました。 その日の放課後、その先生と約10分ぐらい話しました。 ずっと指摘ばかりされるから、次は何を言われるのだろう?とすごく構えておられるなあと 感じました。 私は一言だけ「どのようにしたいか?」と聞くと、 しっかりとこのようにしたいという考えをもたれていたので、 「それでいいと思いますよ。 ただ、クラスのほとんどの子どもが3歳ぐらいのときに ちゃんと遊んでもらったり、愛情を感じる事なく育っているので、そこから成長してない 子どもが多いんです。 2年生ですが3歳児ぐらいを相手していると思ってもらっても いいぐらいです」とだけアドバイスしました。 次の日、学校に行くと教頭先生からどんな話をしたのかと聞かれたので、どうしてかと 尋ねたら、あんなに毎日、学級通信を書くようにすすめても全くやろうとしなかったのに 私が帰ったあとすぐに、学級通信を書きはじめたそうです。(これはこの日から1日も欠か さず毎日発行され、教員からも保護者からも評価が高かったそうです) 授業の方も見せていただきましたが、ぬいぐるみを持参して、本当に3歳児に教えるように 授業をされていたので、みるみる子どもたちは授業にひきこまれていくようになった。 自分の子どものころに体験を話したりされ、みんながいきいきと授業をうけてました。 研究授業では、「荒れてるってきいてたけど、良いクラスですね」と言う先生もいるぐらい 変わりました。 大人も子どもも同じです。 承認欲求があるのです。 何か言われるのではないか?言われたらどうしようと思ううちに、こわくて何もできなくなる。 否定されるのがこわいから、一歩すすめない。 やってできなかったときのことを考えてしまう。 3年生になって、お母さんからの話では、授業も座ってうけてますし、友だちとのトラブルも ありませんということでした。