205:おのれにかつ
205:おのれにかつ――第11講義:知育タンスの引き出しよりすぐり文章を書いていて、どの漢字をあてはめるべきか、迷うことがあります。そんなときには、辞書を引きます。本を読んでいました。ハテナマークが点滅しました。「己に克つ」。何気なく用いてきた漢字ですが、「己に勝つ」となぜ書かないのでしょうか。ふと疑問に思いました。辞書を引いてみました。「克」:おさえ難いものを努力しておさえつける。たえる。「病気に克つ」「己に克つ」「誘惑に克つ」そうなのでした。自分自身との戦いの場合に用いるのが、「克つ」だったのです。わかっているつもりの漢字も、ちょっと離れて眺めてみると、完璧に理解していないケースがあります。電子辞書は、書斎にもリビングにも置いてあります。疑問に思ったら、すかさず辞書を引きたくなります。山本藤光2017.01.27