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【山本藤光(本名)名義の主な著書】
『暗黙知の共有化が売る力を伸ばす・日本ロシュのSSTプロジェクト』(プレジデント社)⇒日本ナレッジマネジメント学会研究奨励賞受賞。
『なぜ部下は伸びないのか』(かんき出版)
『世界一ワクワクする営業の本です』(日本実業出版/オーディオブックFEBE)⇒韓国でも翻訳されています
『人間系ナレッジマネジメント』(医薬経済社)⇒企業向け説明に応じます
『最下位チームがトップになった・ビリーの挑戦』(医薬経済社・小説)⇒ほぼ実話です。どん底チームが本当にトップになりました。
『同行指導の現場・営業ドキュメント』(プレジデント社)
『MRの質を測るものさしあります』(エグゼビアジャパン)⇒企業向け講義をしています。
『仕事と日常を磨く人間力マネジメント』(医薬経済社)


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2019年05月21日
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カテゴリ:新・町おこしの賦
028:穴吹兄弟の始業式
 午前八時。穴吹健二は、標茶高校農業科一年B組の教室にいる。中学時代の同級生だった、寺田徹も同じクラスだった。徹の実家は、塘路で酪農業を営んでいる。
「合格おめでとう」
 徹は白い歯を見せて、健二にいった。中学時代、徹はバトミントン部、健二は卓球部だった関係で、二人は体育館でよく顔を合わせていた。
「一度は高校進学を諦めていただけに、合格はすごくうれしい」
 健二は徹に応えながら、入学した喜びをかみしめている。
「よかったよな、進学できて。やっぱり高校ぐらいは、卒業しておきたいものだ」
「兄貴はおれを高校へ行かせるために、昼間働くことになって、定時制に編入した。頭が上がらないよ」
「おまえの家、厳しいんだな」
「零細酪農家は、どこも大変だ。おれは毎朝五時に起きて、牛舎の掃除と餌やりを手伝っている。夏休みはアルバイトで、学費を稼ぐつもりだ」

始業式を終えて健二は、卓球部員募集の看板の前に立った。中学時代の卓球部の先輩だった、越川翔が「おう」といって迎えてくれた。越川翔は町長の息子・誠の次男である。
「入部したいんですが」
「穴吹が入ってくれれば、大きな戦力になる。歓迎だよ」
「よろしくお願いします」
「また鍛えてやるよ。ところで兄貴の健一は、今日は欠席していた。具合でも悪いのか?」
 翔と健一は、農業科で同級生だった。
「いえ、定時制に編入したんです。働かなければ、ぼくを高校へ進学させられなかったからです」
 健二は正直に告げた。
「貧乏はつらいな」
 翔は口中の食べカスを吐き出すように、顔をしかめて見せた。

 午後六時。穴吹健一は、標茶高校定時制二年の始業式の列にいる。全日制からの編入は容易だった。二十一人の生徒は一年からの進級で、健一だけが新顔である。健一は困難なマラソンの、スタートラインに立った心境でいる。酪農と勉学の両立。健一は頭のなかで、二つをそっと天秤にのせてみる。ため息がでた。






最終更新日  2019年05月21日 04時02分35秒
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