1190070 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

山本藤光の文庫で読む500+α

PR

バックナンバー

カテゴリ

空白

(106)

妙に知(明日)の日記

(630)

完全版シナリオ「ビリーの挑戦」

(261)

新・町おこしの賦

(494)

新・営業リーダーのための「めんどうかい」

(244)

銀塾・知だらけの学習塾

(116)

知育タンスの引き出し

(317)

営業の「質を測るものさし」あります

(104)

新・知だらけの学習塾

(108)

のほほんのほんの本

(386)

長編小説『町おこしの賦』

(369)

乱知タイム

(71)

一気読み「町おこしの賦」

(108)

国内「あ」の著者

(23)

国内「い」の著者

(27)

国内「う」の著者

(10)

国内「え」の著者

(5)

国内「お」の著者

(21)

国内「か」の著者

(19)

国内「き」の著者

(9)

国内「く・け」の著者

(14)

国内「こ」の著者

(18)

国内「さ」の著者

(16)

国内「し」の著者

(24)

国内「すせそ」の著者

(5)

国内「た」の著者

(23)

国内「ち・つ」の著者

(10)

国内「て・と」の著者

(14)

国内「な」の著者

(15)

国内「にぬね」の著者

(5)

国内「の」の著者

(6)

国内「は」の著者B

(13)

国内「ひ」の著者B

(12)

国内「ふ・へ」の著者A

(10)

国内「ほ」の著者A

(7)

国内「ま」の著者A

(16)

国内「み」の著者

(21)

国内「む」の著者

(15)

国内「め・も」の著者

(10)

国内「や」の著者

(14)

国内「ゆ」の著者

(3)

国内「よ」の著者

(10)

国内「ら・わ」行の著者

(4)

海外「ア」行の著者

(23)

海外「カ」行の著者

(27)

サ行の著作者(海外)の書評

(23)

タ行の著作者(海外)の書評

(25)

ナ行の著作者(海外)の書評

(1)

ハ行の著作者(海外)の書評

(25)

マ行の著作者(海外)の書評

(12)

ヤ行の著作者(海外)の書評

(1)

ラ・ワ行の著作者(海外)の書評

(10)

営業マン必読小説:どん底塾の3人

(56)

笑話の時代

(19)

「ビリーの挑戦」第2部・伝説のSSTプロジェクトに挑む

(124)

知だらけの学習塾

(105)

雑文倉庫

(44)

プロフィール


フジミツ

フリーページ

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

 ゆきこ@ 日本にとって大切な参院選 初めまして、こちらのブログとは場違いな…
 フジミツ@ バックナンバー 『町おこしの賦』001~024までは、画面左…
 フジミツ@ Re:001:九月の雪虫(03/18) この小説は舞台だけ標茶町を選びましたが…

サイド自由欄

設定されていません。
「標茶六三の文庫で読む400+α」&知だらけの学習塾・銀塾


【山本藤光(本名)名義の主な著書】
『暗黙知の共有化が売る力を伸ばす・日本ロシュのSSTプロジェクト』(プレジデント社)⇒日本ナレッジマネジメント学会研究奨励賞受賞。
『なぜ部下は伸びないのか』(かんき出版)
『世界一ワクワクする営業の本です』(日本実業出版/オーディオブックFEBE)⇒韓国でも翻訳されています
『人間系ナレッジマネジメント』(医薬経済社)⇒企業向け説明に応じます
『最下位チームがトップになった・ビリーの挑戦』(医薬経済社・小説)⇒ほぼ実話です。どん底チームが本当にトップになりました。
『同行指導の現場・営業ドキュメント』(プレジデント社)
『MRの質を測るものさしあります』(エグゼビアジャパン)⇒企業向け講義をしています。
『仕事と日常を磨く人間力マネジメント』(医薬経済社)


【著作者別書評の検索方法】
画面を下にスクロール→[新着記事一覧]→[カテゴリ記事一覧]→[あ行の著作者の書評]






2019年09月21日
XML
カテゴリ:新・町おこしの賦
141:フォークの柄
 帰りかけた恭二の耳元で、詩織がささやいた。
「一度家へ帰って、すぐに私の部屋にきて」
 後ろ向きに手を上げて了解を示し、恭二は幸史郎たちとともに、藤野温泉ホテルを辞した。胸のなかで二種類の玉が、ぶつかり合っている。詩織の用件が、想像できない。よい話ではない、との思いが強い。

「札幌へはいつ発つんだ?」
「三日後。コウちゃんは?」
「おれは四月一日。学生寮はそれまで、空かないんだ」
 幸史郎と可穂を宮瀬家の前で見送り、恭二は勇太に「駅まで送るよ」といった。二人で並んで歩くのは、久しぶりだった。
「恭二、おれな、株式会社・酪農猪熊を目指すことにした。近所の酪農家なんだけど、後継者がいないんで廃業するって、あいさつにきたんだ。おれ、そこを買うことにした。でっかい牧場になるんで、冬場は野菜のビニールハウスを経営しようと思っている。コウちゃんに相談したら、親父に格安で建設するように、頼んでくれるって」
「そりゃいいな。勇太はちゃんと、未来のことを考えているんだ」
「いつまでもひっそりと、酪農家を続ける気はないな。夏場は外国の研修生も受け入れるように、申請もしてある」
「勇太、おまえは力強いよ。感心した」
「おまえも、しっかりと勉強しな。帰ってきたときは、電話くれよ。今日みたいに会える友だちが、誰もいなくなるのが一番寂しい」

 二人は標茶駅で、固い握手を交わす。お別れだ、と恭二は思う。ずっと以前に理佐とお別れをし、幸史郎と可穂にもお休みをいった。そして今勇太とも握手をした。一本のフォークの柄の部分だった関係が、先端部分に移行してしまった。恭二は勇太を見送り、最後の別れになるだろう、詩織の元へと足を運んだ。
 胸のなかを、重い鉛の球が転がった。足取りが重い。恭二は力いっぱい息を吐き出し、みぞおちに力をこめた。






最終更新日  2019年09月21日 04時31分57秒
コメント(0) | コメントを書く

Copyright (c) 1997-2019 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.