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【山本藤光(本名)名義の主な著書】
『暗黙知の共有化が売る力を伸ばす・日本ロシュのSSTプロジェクト』(プレジデント社)⇒日本ナレッジマネジメント学会研究奨励賞受賞。
『なぜ部下は伸びないのか』(かんき出版)
『世界一ワクワクする営業の本です』(日本実業出版/オーディオブックFEBE)⇒韓国でも翻訳されています
『人間系ナレッジマネジメント』(医薬経済社)⇒企業向け説明に応じます
『最下位チームがトップになった・ビリーの挑戦』(医薬経済社・小説)⇒ほぼ実話です。どん底チームが本当にトップになりました。
『同行指導の現場・営業ドキュメント』(プレジデント社)
『MRの質を測るものさしあります』(エグゼビアジャパン)⇒企業向け講義をしています。
『仕事と日常を磨く人間力マネジメント』(医薬経済社)


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2018年10月17日
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カテゴリ:新・町おこしの賦

169:買い物ゲーム

 翌日二人は、北大の周辺マンションを見て回った。三件目に、手ごろな物件が見つかった。風呂とトイレが別になっており、二つの部屋はともに北に面していた。しかしリビングは南向きで、日当たりがよかった。

「部屋は寝るだけだから、暗くても構わない。恭二、リビングが明るくて、気持ちがいいよ」

 マンションは、恭二の名義で賃貸契約をした。本日から入居しても、構わないといわれた。二人は恭二のアパートに戻り、荷物の整理をした。明朝、引っ越すことに決めた。

 

大型のタクシーは、定刻に恭二のアパート前に停まった。二人は四つの段ボールを運びこんだ。冬だというのに、額から汗が噴き出した。

部屋の鍵を開け段ボールを運び入れて、二人は床に座りこんでしまった。

「留美の段ボール重過ぎる。腕が抜けるかと思ったよ。何が入っているの?」

「全部、本。予備校の教材は捨てたので、小説ばっかり」

「ここがおれたちの、新しいお城か」

 恭二はがらんとした部屋を見回し、感慨深げにいった。

「では恭二、買い物リストを作成するよ。扉を開ける場面から、実演してみよう」

 

 二人はいったん外に出る。

「下の郵便ボックスとここに、名前を入れなければならない。二人の名字だけを並べよう」

 扉の上のカードケースを指差して、恭二は最初の備品を確認する。留美は、すかさずメモを取る。ドアを開けて、中へと入る。

「玄関マット、スリッパ二つ」

「お客さん用がいるよ」

「じゃあ四つ」

「食卓、椅子四個つき、電気、エアコン、テレビ、掃除機、ゴミ箱」

 恭二は窓へと目を転じる。

「カーテン」

キッチンへと回る。

「冷蔵庫、鍋、フライパン、炊飯器、トースター、電子レンジ、コーヒーメーカー、コーヒーカップ、包丁、茶碗、箸、まな板、コップ、スプーン」

 

 今度は奥の部屋へと移動する。

「ベッドに布団と枕。それにシーツと毛布。お客さん用もいる?」

「恭二、そんなに買う予算がない」

「でも夢だから、続けよう」

今度は洗面所をのぞく。

「タオル、バスタオル、足ふきマット、洗面器、石けん、シャンプー、ヘアドライヤー、櫛、ヘアリキッド、歯ブラシと歯磨き粉、それにトイレットペーパー」

「恭二、洗濯機、忘れてる」

 楽しい買い物ゲームだった。恭二はふっと息を吐き出し、「優先順位をつけるべきだね」といった。留美も手元のメモをのぞきこんで、大きなため息をついている。

リビングの外は、小さなベランダになっている。恭二は素足で出て、「ものほしざお」と告げる。「ハンガーもいるわね」と留美はメモを取りながらいう。

 

食卓テーブルとイス四脚、布団一組、枕二個。カーテン、リビングの電気、鍋とフライパン、トースター、炊飯器、食器と箸とコップ。最初に搬入したのは、それだけだった。二人の仕送りから家賃を払い、食事をして、学費を払うと、我慢せざるをえなかった。調度品にあふれた生活は、夢物語に終わった。

 

「アルバイトをしなければ、やってゆけないね」

 留美は食卓の椅子に腰かけて、宙を見上げる。「私、机と椅子とスタンドと本棚は必要だな」

「留美の方が仕送りは多いんだから、買いなよ。おれはここで勉強する」

 食卓のテーブルを叩いて、恭二はいった。

「二人の共有財産は、この箱に入れることにしよう。そして欲しいものメモも、入れておくの」

「明日、中古品を売っている店へ行ってみない? 机や椅子、電気やスタンドなら、格安で買えると思う」

 

二人は一緒に風呂に入り、真新しい布団に潜りこんだ。ふわふわの布団は、二人を温かく迎えてくれた。いよいよ新しい生活がはじまる。恭二はしっかりと、留美を引き寄せた。

「恭二、やっぱり布団はもう一組必要だね。このままじゃあ、同棲と同じになっちゃう」







Last updated  2018年10月17日 03時04分55秒
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