ベートーベンの手紙(下)
共産党幹部も務めた、政治家でありながら 大のつくほどベートーベン愛好家だった、 小松雄一郎氏による岩波楽聖賛歌の下巻。 (※拙ブログ読者 にわかりやすく読んで頂く ため部分修正済み)。我が旧き尊敬する友、フランツ、ゲルハルト・ヴェーゲラーよ!ブロイニングから大兄の第二信を頂き、今の僕にはそれは一つの幸福です。返事が書けるにはまだ衰弱がひどすぎる。しかし、大兄が言って来られたことは、どれもこれもどんなにか僕には聞きたい事であり、また嬉しい事であったかは御想像になれると思う。病気の治り方はとてものろい。医師たちはまだ何も言っていないが、さらに四回目の手術を受けなければならぬようだ。僕は我慢して耐えてる。そして、あらゆる禍いも時としては何か善いものをもたらすものだ、と考えるのだ。(中略)さて肖像画は、ショット氏より郵送します、受け取って下さい。なお同氏より楽譜も届きます。もっと色々とまだ書きたいと思うのだが、しかしあまりに衰弱がはなはだしいので、僕は、もう心の中で大兄と、大兄のロールヘンを抱擁(ほうよう)することしかできない。大兄と、大兄の御家族に真の友情と愛着を持つ大兄の旧き真実の友ベートーヴェンヴィーンにて 1827年2月17日 記す上記は、56歳で世を去る僅か1か月前のベートーヴェンが友に充てた手紙である。 その頃彼は、耳が完全に聞こえず、目も見えにくかった。哲学者ゲーテのファウストとギリシャ神話の融合という壮大な交響曲第10番の作曲に入ったが1827年3月26日の夕方、雷鳴響き渡る中・・・・ 握りこぶしを高く上げた状態で死去。葬儀に2万、3万とも言われる市民が参列も、貴族の姿は数えるほどに過ぎなかった。。にほんブログ村 https://blogmura.com/