寒気団の南下で気温が下がっていますが、日本で言うと初秋くらいでしょうか。歩いていると気持ちが良いくらいの寒さです。

景気が悪い中１９日から広州モーターショーが開催されました。
自動車販売台数も低下しており少しでも景気が良くなればと思います。

　さて広州では河川の公害に拠る汚染が深刻化してきています。
市内を流れる主流の珠江も年々汚染が進んでいますし、水道水の質がこれ以上悪化しない事を祈りますね。
　これらの河に流れ込む支流や町の中の河は正直どぶ川としか言い様が有りません。これらの河は近づくとそこからぼこぼことメタンガスが噴出し、周辺に漂う匂いも鼻をつまむくらいで、周辺住民は毎日良く我慢して生活していると感心するくらいです。
　ひどい所は水の色が真っ黒になっています。
　これらは工場や一般家庭からの生活廃水がそのまま垂れ流ししているからで、広州にも下水処理場はありますがわずかな地域しか処理されていません。　
　特に中国では食生活上食用油の消費量が日本に比べて格段に多い為これらがそのまま河に流れる事と、食器を洗う洗剤の量も多く、後は生活人口が多い為汚染が進むのです。
　更に追い討ちをかけるようにもう一つはトイレの糞便処理にも問題が有ります。
　日本では糞便は過去は汲み取り式で、その後下水の普及で水洗に代わりましたが、ここ広州では下水処理場が無いのに、各家庭のトイレは全て水洗なのです。これらの糞便は生活廃水と併せてマンホールに流され、下水管と中間マンホール等が自然の浄化槽になっていて、そのまま河川へ排出されます。
　大きな通りでは政府が時々マンホールの蓋を開けてヘドロさらいを行っていますが、全ての地域の清掃を行ってはいないようで、大雨が降ると、排水処理できず溢れます。

　後は、河川へのごみの投棄でしょう。河川は清掃船でごみ集めをしていますが処理し切れません。
　広州市では１０年かけて河川の改良と下水処理を行うようですが、まずは下水処理を１００％行い直接排出をなくすのが先でしょう。
　これだけ広大な市街地に処理場を建設するのも難しいでしょうね。市街地は空き地が無いので郊外に建設するしかなく下水道の敷き設も大工事になりますね。
　後は市民への教育と監視が不可欠でしょう。
まずはごみのポイ捨てをなくさなければなりませんし、ごみの分別処理や下水への負担を軽減するように食用油などの回収や処理が必須です。
　何分中華料理を毎日たべているとレンジフードの油受けがすぐに一杯になります。家庭の規模にもよりますが1軒で一ヶ月に３~５リットルは消費するでしょう。そのうちの１０％以上は下水へ流されるとおもいますし、洗剤からの汚染も改善が必要でしょうし、ハード面とソフト面両面での対応が必要です。
　もう一つは工場からの排水も問題で中小企業では廃水処理施設が無かったり、故障してもそのまま放置されたりしており、これらの問題で河川で魚が大量に死んだりしていますし、大雨が降ると市街にちかい養殖場ではさなかやえびが流れ込んだ雨水で死ぬ事もあります。
　企業の利益主義で公害垂れ流しがなくならないと解決できません。
　政府も漸く腰を上げて本格的に改善に向けてスタートしました。時間がかかりますが未来へ向けて成功する事を祈ります。