ワールドカップ ~match55,56~
match55 Round of 16: ブラジル 3 - 0 ガーナ (6/27 23:45よりBS1で観戦)オフサイドポジションを抜群の鼻先で切り抜け、開始5分、ロナウドがゲルト・ミュラーの通算得点記録を更新する先制ゴールを挙げると、ブラジルはエメルソンが下がって3バックを形成し、カフー、ロベカルがポジションを上げ、タタミかける攻撃に移るかのように見えた。ところがガーナの思わぬ抵抗に遭い、試合のペースは王国に易々と主導権を与えなかった。ガーナは主力のエッシェンを出場停止で欠いていたものの、トップのアモアの動きが速く、またドラミニ、ムンタリの両サイドもスピードがあり、シュートミスを繰り返してしまったが、大いにブラジルをてこずらせた。特に43分のメンサーのCKからのヘッドが決まっていれば、展開は変わっていたかもしれない。だが、ブラジルは前半ロスタイム、ルシオのドリブルからカカ、カフーと繋ぎ、最後はアドリアーノがオフサイドの網の中にいながらも決めた追加点が認められリードを広げる。後半も、ガーナの前がかりになった後方のスペースをブラジルが突く展開が続く。ガーナは最後まで攻めに攻めたが、81分にアサモア・ギャンが2枚目のイエローを献上し10人になったところで力尽きた。その後、ゼ・ロベルトが裏に抜け出し3点目を決めたが、一方でロナウジーニョに存在感はまだ戻っていない。match56 Round of 16: フランス 3 - 1 スペイン (6/27 27:45よりBS1で観戦)トーナメントの組み合わせは毎回、「まだこの段階なのにこの顔合わせは…」という対戦が発生する。失礼だが、フランスがウクライナと、スペインがスイスと当たっていた方が、まだ上のラウンドに実力国が残るんじゃないかと感じてしまう。しかしともかく「フランス対スペイン」という屈指の好カードが1回戦で実現する運びとなった。前評判は明らかにここまで3連勝と波に乗るスペインだった。そしてテュラムが27分にパブロにPKを与えた時点で、「やはりスペインか」となった。ビジャがそのPKを決め先行し有利に立つ。しかし、この日は涼しい気温条件も味方したのか、老練の多いフランスはこれまでで最高の出来を見せる。テュラム、マケレレの守備は精度を増し、この日で終焉を迎える可能性もあるジダンも元気なプレーを見せる。41分、スピードサイダーのリベリが見事に2列目から抜け出し、GKカシージャスも振りきって同点ゴールを決めると、「ひょっとしてフランスか」という気持ちが沸いた。後半、動きの早いアラゴネスはホアキン、ルイス・ガルシアを相次いで投入するが、徐々に流れはフランスに傾き始める。そして延長もちらつき始めた83分に、上がりっぱなしだったビエラがヘッドを決め逆転し、ロスタイムにジダンがとうとう2大会ぶりのゴールをゲットし3点目を奪うと、「これはいよいよフランスが戻ってきたか…」という思いが強くなった。無敵艦隊を沈めたフランスたが、,98年、00年と連続して世界と欧州を席巻した風格と力強さは、このチームにはない。しかし次の王国を倒せば、「ひょっとして」という感もある。ドメネク監督の落ち着き払った人のよさそうな雰囲気は、当時のジャッケと似ていそうな気もする。