♪ のびやかに生き延びている天然の素材は自分自身と思う
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今日は、太陽が春分点(太陽が赤道を南から北へ横切る点)を通過する日なんだね。太陽は真東から出て真西に入り,理論上昼夜の長さが等しい。
ストールを染めるに当たって、春分にちなんでタテの染め分けもしてみたりした。
今回は、竹のレーヨンを織り込んだものを選んだ。初めて使うものだ。
「タテ糸」には、超高級エジプト綿 140/2を使用してある。(140番手双糸のこの糸は、超高級のドレスシャツや超高級羽毛布団の生地を織る熨斗使用される高級糸)
「ヨコ糸」に、中国四川省で育てられた慈竹、雑甲竹を原料をビスコース製法で作られたバンブーレーヨンを使用している。クラボウが開発し、「凛竹」という名称で提供されているもの。竹は成長が早く、2~3年でバンブーパルプの原料として使える上、土に還るエコロジー素材として世界でも注目の素材。
出来栄えを見るために広げて干したが、実際の完成形は楊柳の様に皺を寄せてある。最初からそうしておいた方が使いやすいだろう。どうせ使っているうちにこうなってくる。
バンブーレーヨンは、吸放湿性に優れ、汗や水分を吸っては放出してくれるので、ムレにくくべとつかない。ストールには最適な爽やかで着け心地のいい理想的素材。
試験方法:自社基準による吸放湿性試験
風合いもソフトで、柔らかい肌触りによるしなやかさがあるソフトドレープ素材。バンブーショールの製織工程で、タテ糸に糊剤を使わないため環境にもやさしいものになっている。
「今治タオル」でも、「竹フェイスタオル【竹織物語 凛竹】」として、吸水性と抗菌性を活かしたものが作られている。パイル部分にバンブーレーヨンが100%使われている。
竹そのものの繊維の流行が04年だとすると、バンブーレーヨンの流行は一足早かった。03年7月に野村産業(愛知県一宮市)が竹を原料にしたセルロースレーヨン繊維を含む糸と、その糸を用いた布帛(織・編み物)の国内製造特許を取得。同社と東レ、クラボウ、日本毛織の4社が、12月にバンブーレーヨン素材の品質を保証する「竹マーク」を新たに設定したことで一気にバンブーレーヨンの知名度が高まった。
今回はこの素材の他に、「タテ糸にスーピマコットン 50/2、ヨコ糸にバンブースラブ1/20(国産糸)使用の、少し厚手の房付きショール」も染める。
これもタテ糸に高級綿糸を使用しているので発色の良いものになるだろうが、全体の混率がバンブー55%、綿45%なので、今までずっと染めて来たコットン100%のものとはまた違う感じの仕上がりになるだろうと思う。
面倒なんて思っては身もふたもない幾つかの作業を重ね、色を染め重ねていくのはとても楽しい。絞り染めは場所を取らないというのもいいが、最後に糸を解いて見るまで結果が分からないというところも気に入っている。
たまに失敗もするが、それがまた次に繋がっていく。様々な感性を総動員して作り上げる工芸の魅力は、いくらやっても尽きることはないね。
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