H.オーエン・リードは2曲取り上げられています。大編成バンドの処女作である「スピリチュアル」は1947年と作曲年代は古いですが、わかりやすく、古さを感じさせない曲です。その当時のアメリカの吹奏楽作品の作風の王道を行くような、テクスチャーが明瞭で、メリハリの利いた曲です。先年のキーストーン・ウインド・アンサンブルのオーエン・リード・集でも取り上げられていましたが、このときは「 For the Unfortunate」の印象が強烈で、この曲の記憶はありませんでした。これほどの曲が日本ではあまり知られていないことは、とても残念なことです。
オーエン・リードがイーストマン音楽大学に在学中に作曲された「psalm of praise(賛美の詩篇)」は、詩篇100「全地よ、主に向かって喜びの叫びをあげよ」に基づきますが、喜びが伝ってきません。独唱が、ロシア風の発声と声質のためなこともあるかもしれません。
第8曲目の「Madaline's First Adventure」はラトガーズ大でジャズ・パーカッションを専攻したクリス・トンプソンの曲です。妹のマダリンにささげられた、気まぐれですが、希望に満ちた、なかなか楽しい曲です。作品はミュージカル「day in the life of」として構想されました。三つの楽章に別れています。最初の楽章はスピリチュアルな楽章で、2楽章が子守唄、最後がスケルツォとなっています。
聞いていて、すがすがしい気分になること請け合いです。
1. Andrew Botsen, Jr:Kirkpatrick Fanfare
2. Anthony Iannaccone:Sea Drift
1.Out of the Cradle, Endlessly Rocking
2.On the Beach at Night
Song for All Seas
3.Charles Wuorinen:Fanfare for Rutgers University
4.Daniel Goode:Cape Breton Concert
5.Eric Whitacre:Sleep
6.Steven Bryant:ImPercynations
7.H. Owen Reed:Psalm of Praise
8.Chris Thompson:Madaline's First Adventure
9.Eibhlis Farrell:Soundshock
Recorded 1998-2002
in the Nicholas Music Center on the Douglass Campus of Rutgers,NJ