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音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2020年04月16日
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カテゴリ:クラシック音楽

話題のクルレンチスの「運命」がハイレゾでリリースされた。
今のところHDtracksとhghresuaudio,Qobuzの3社に限定されているようだ。
HDtracksで早速セールが行われているので20%オフの$14.39で入手した。
残念ながらブックレットはついていない。
その前にspotifyでチェックしたが、一部?というところもあり、今回じっくりと聴いてみた。
スコアの指定に従ったテンポで、とても速いが、テンポが速いだけではない。
エネルギーに満ち溢れていて熱い演奏だ。
また、音価が縮められて、ある意味潔いともいえるが、評価の分かれるところだろう。
この処理は音の立ち上がりが速いことも相まって、最終楽章の爆裂的な演奏に繋がっている。
サウンドはクールで、かなりざらついた肌触りだ。
これはホールノイズが結構含まれている録音にも影響されているだろう。
録音によってはだいぶ違った印象になるような気がするので、実演を聴きたいところだ。
最近は熱のある演奏があまり多くはないが、そんな中でもこの演奏は熱量からいけば間違いなくトップにランクされるだろう。
アクセントも鮮烈で、荒々しくもビシバシ決まっている。
何回か聴いているうちにトスカニーニに似ている気がしたので、spotifyでNBC交響楽団との演奏(1933)を聴いた。
やはり雰囲気が似ている。
トスカニーニの演奏の貧弱な録音から聞こえてくるのは、間違いなくトスカニーニの確固たる強い意志だ。
当ブログも似ていると思えたのは、この部分だったのかもしれない。
トスカニーニの演奏は一部緩いところもあるし、ここでテンポを緩めて欲しくないところもある。
それがクルレンチスではすべて実現しているといっても過言ではない。
第4楽章のエンディングでも全く緩むことがなく、聴き手は最高のカタストローフを感じる。
例によって弦は超強力でガシガシと進むところは大迫力。
ティンパニは音量こそ突出していないものの、野蛮さが半端ない。
それに比べると管は頑張っているものの、もう少し出てほしいところもある。
第4楽章で入ってくるコントラ・ファゴットのビーという音が意外に聞こえるのが面白い。
気になるところがないわけではない。
スコアの指定のないところで、少し弱くしてすぐ元に戻すところが数箇所見受けられる。
例えば第一楽章の183小節から8分音符2つと4分音符の音形が木管の低音から高音に移っていくところで突如として弱くなって、すぐ何事もなかったように元に戻る。
聴き手は一瞬再生装置のヴォリュームがおかしくなったのかと思ってしまう
どいういう意図なのかよく分からないが、とても奇異に感じられる。
偶然youtubeで観た、昨年のベルリン・フィルとのヴェルディのレクイエムでも、同じような処理をしているところがあり、クルレンチスの趣味?というか嗜好であることが分かってがっかり。。。
また、1楽章の196小節からの2分音符2つがレガート気味に処理されているのも嫌らしい。
ところで、演奏はいいとしても、きょうび運命1曲というのはあり得ないだろう。
同時に7番も録音されているが、『まったくことなる物語を持つ小説』だということで2曲の組み合わせはクルレンチスに拒否されたという。
CDは少し安くなっているようだが、最低でもミッドプライスくらいにしてほしいところだ。
ハイレゾも$10くらいがリーズナブルだろう。
これがスタンダードになりうるかは分からないが、「悲壮」のような、誰もが気が付かなかったところに光を当てて、徹底的に磨き上げた破天荒な演奏であることは確かだ。
この曲が耳タコの方にこそ是非聴いていただきたい。
9月の7番次第だが、早くも今年の賞とり候補の最右翼だろう。
今の季節、この演奏を聴いて、生きる勇気を与えてくれそうな気がすると思うのは、大げさだろうか。

Currentzis Beethoven:Symphony No. 5 in C Minor, Op. 67(SONY 19075884972)24bit 96kHz Flac

Beethoven:Symphony No. 5 in C Minor, Op. 67

Teodor Currentzis
MusicAeterna Orchestra

Recorded 2018 at the Konzerthaus in Vienna





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Last updated  2020年10月23日 12時09分08秒
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