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音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2021年02月09日
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カテゴリ:クラシック音楽

三井住友海上文化財団による「ときめくひととき第894回」はトルヴェール・カルテットのコンサート。
偶然見つけたのだが、チケットを取るのが遅くなってしまい、ローソンでは販売終了だった。
仕方がないので、ホールに電話したら幸いにも残っていた。
ところが、郵送の手数料が600円もかかるということで、取りに行く時間とガス代を考えて代引きしてしまった。
元々の値段が¥1500と格安だったのだが、要らぬプレミアがついてしまった。
すべては、行動が遅かった管理人の責任。
年をとったら、すべてにおいて行動が遅くなってしまった。
普段から家人に行動が遅いと言っているが、「お前に言われたくない」と返されそうだ。

閑話休題

会場は何度も行ったことのある大ホールではなく、中ホール。
中ホールといっても五百人ほどの容量があり、地元の施設が貧弱な管理人としては羨ましい限り。
このアンサンブルの生は初めて。
プログラムも聴いたことのない曲(編曲)で、期待大。
事前に予習しようと思ってSpotifyでチェックしたが見つからなかった。
プログラムはこのアンサンブルの委嘱による作品が多く、このアンサンブルの前向きな姿勢が感じられる。
曲ごとに交代でMCを務めていたが、皆さん喋りが上手く、会場の雰囲気が和やかで良かった。
前半は長生淳の編曲が2曲と新加入の神保佳祐の編曲によるドヴォルザークの3曲。
編曲が出来る人が加わることで、レパートリーの拡大が期待できるのが大きい。
ホルストの惑星は長生淳の編曲で「木星」と追加した「彗星」の2曲。
「木星」は通常のアダプテーションに近い編曲ではなく、タイトルに「トルヴェール」と付いているくらいなので、彼らと長生淳が考えるオリジナルの世界が広がる編曲。
木星の出だしでモーツァルトのジュピターの最初のフレーズが出て来てぎょっとしたが、考えてみれば木星なのでおかしくはない。
「彗星」は「惑星」のいろいろなテーマが使われていて、なかなか面白かったが、木星に比べれば、小粒の感はぬぐえない。
ヴィバルディの「四季」もタイトルにグループ名が付いているので、コンセプトとしては「惑星」と同じなのだろう。
演奏もさる音ながら、アトラクションが傑作。
「夏」の第2楽章は蚊がテーマで、出だしから蚊がぶんぶんいう様子がピアノの不協和音で表される。
蚊を捕まえて、殺す様子がユーモラスに演じられている。
蚊が死んだ後に手を合わせているオチも効いている。
第3楽章のエンディングの長いクレッシェンドも見事だ。
後半のP.スウェルツの「クロノス」はピアノとアルトサックスの二重奏を作曲者自身がサックス四重奏に編曲したもの。
急ー緩ー急の3部に分かれていて、大変な難曲だが一糸乱れぬ演奏で見事だった。
特にアルトが大きくフィーチャーされていて、アルトの彦坂眞一郎のMCによると飴と鞭の鞭にあたるそうだ。
「見上げてごらん夜の星を」は凝った編曲ではないが、曲の良さがしみじみと伝わってくるいい編曲だった。
最後はこれも長生淳の編曲で「デューク・エリントンの時代から」と題された、デューク・エリントンの名曲10曲のメドレー。
各ナンバーでソロをフィーチャーするのはお約束だが、エリントンと同時代のラヴェル、ストラヴィンスキー、ガーシュインの名曲のさわりを引用しているのが、なかなかオシャレ。
ラヴェルは「ダフニスとクロエ」と「ボレロ」、ストラヴィンスキーは「火の鳥」、ガーシュインは「ラプソディー・イン・ブルー」で、とくに火の鳥の引用は「イントロ」、「カスチェイ王の踊り」、「終曲」が巧みに引用されていて、面白かった。
今回注目されたのは、彦坂眞一郎のアルト。
音が大きく、クラシックのサックスの繊細さよりは、太いポピュラー系の音で、よくスイングしている。
また、田中のバリトン・サックスもいい音で、スインギーなプレイが楽しい。
須川はいつも通りのプレイだが、往時に比べると、若干衰えが見受けられる。
亡くなった新井靖志の代わりに加入した神保は堅実ではあるが、周りが海千山千の強者揃いなのか、若干遠慮がちなのが惜しまれる。
早く慣れて、押し出しの強いプレイをしてもらいたい。
帰ってから彼らのCDを聴きたいと思ったのでSPOTIFYやAMAZON MUSICをチェックしたが、
「惑星」も「四季」もなかった。
だいぶ古いCDなので無理もない。
ということで、ポピュラー寄りの選曲ではあったが、「クロノス」のような難曲もあり、エンターテインメントに満ちた、サービス精神旺盛の楽しめたコンサートだった。

トルヴェール・クヮルテット with 小柳美奈子

1.G.ホルスト/長生淳編:トルヴェールの惑星より木星
2.G. ホルスト/長生淳編:トル彗星ヴェールの惑星より
3.ドヴォルザーク/神保佳祐編:弦楽四重奏曲第12番<アメリカ>より第1楽章
4.ヴィバルディ/長生淳編:トルヴェールの四季より「春」1、2楽章、夏第2,第3楽章

休憩

1.P.スウェルツ:クロノス
2.いずみたく/石川亮太編:見上げてごらん夜の星を
3.A.ピアソラ/諦鵬編:ブエノスアイレスの春
4.D.エリントン/長生淳編:デューク・エリントンの時代から- Duke‘s Time

アンコール

いずみたく石川亮太編:上を向いて歩こう
バッハ:G線上のアリア

2021年2月7日奥州市文化会館中ホール K列20番にて鑑賞





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Last updated  2021年02月09日 15時01分50秒
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