2889828 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Profile

bunakishike

bunakishike

Recent Posts

Category

Archives

2023年03月08日
XML
カテゴリ:クラシック音楽

チェロの宮田大とギターの大萩康史のデュオコンサートを聴く。
チェロとギターの組み合わせは、とても珍しい。
管理人は初めて聞いた
彼らは以前からこのコンビでのコンサートは行っているようで、手慣れたものだった。
今回のコンサートは昨年リリースされた彼らのアルバム「​Travelogue​」を基本に、ほかの曲を加えて「世界旅行」の気分を楽しんでもらおうというコンセプト。
堅苦しいクラシックではなく耳にやさしい音楽ばかりで、気持ちよく聴かせてもらった。
プログラムに二人のインタビューが載っていて、お互いをリスペクトしていることがよく分かり、それが聴き手にも伝わってくるような心温まるコンサートだった。
大萩は初めて聞いたが、抜群のテクニックと端正な芸風が大層魅力的だ。
彼らのMCをはさみながらの進行で、話が弾んで、演奏よりも会話の時間のほうが長かったりする。
MCが長いと不満に思うものだが、彼らの会話が楽しく、不快に思うことはなかった。
今回は弱音を重視すると宮田が語っていたが、その通り大きな音はあまりなくデリケートな弱音が美しかった。
前半はイギリスに因んだ音楽とラテンのオリジナル、後半はクラシックや映画音楽、タンゴの編曲物が演奏された。
最初はダウランドの「さあ、もういちど愛が呼んでいる」
抑制されたチェロの響きにギターのサウンドが寄り添い、ダウランドの世界が見事に表されていた。
ダウランドなので本当はリュートで聴きたいところだが、ギターでも十分満足出来た。
次のホアキン・ニン(Joaquín Nin y Castellanos 1879-1949)の「チェロとギターのためのスペイン組曲」は初めて聞いた。
この曲は比較的ポピュラーで、ヴァイオリンとピアノ版他、いろいろなアレンジがあるようだ。
原曲は「20 cantos populares espanoles」らしいが、組み合わせがいろいろあるらしく、今回どの組み合わせなのかは分からなかった。
プログラムの表記はあくまでも推測であることをお断りする。
第1曲と第3曲が静かな曲で、2,4曲が速いテンポの曲だ。
速いテンポの第2曲と第4曲がラテンの香りが強めだが、あくまでの控えめ。
全体的には風通しのいい音楽だった。
次はヴォーン=ウイリアムズの「揚げひばり」
原曲はヴァイオリンとオーケストラの曲だが、藤井敬吾氏の編曲が優れていて、チェロの鈍重さを感じさせない、むしろどこまでも高く飛んでいくひばりの軽妙ささえ感じさせる演奏が素晴らしかった。
チェロとギターの組み合わせが功を奏したというべきか。
冒頭のギターの柔らかなトレモロの中からミュートをかけたチェロが出てくるところは何とも言えない雰囲気で、編曲者の腕の冴えをが感じられた。
第1部最後は加藤昌則 という方のイギリス民謡を素材にしたメドレー。
スカボロヘア、グリンスリーブス、ロンドンデリーエアなどの良く知られた民謡と後半のジグ(ジーグ)と呼ばれるスコットランドの速い踊りの組み合わせ。
前半の癖のない表現と後半の熱を帯びた踊りのコントラストが素晴らしい。
個人的には後半はもう少し派手にやってほしかった。
最後はスカボロヘアーで締めくくられる。
第2部の最初はラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」
柔らかなギターのサウンドとデリケートな弱音がこの曲にふさわしい。
特に、後半主題が再現する場面の最弱音はハッとするほどの美しさだった。
2曲目はルグランの「ロシュホールの恋人たち」からの「キャラバンの到着」
フレージングがおしゃれで悪くはないが、原曲の熱気とジャジーな雰囲気がもう少し出ていればと思った。
テンポも落ち着きすぎで、少し前のめり気味のほうが好ましい。
途中で出るアドリブ風?のギター・ソロの雰囲気は出ている。
最後のピアソラの「ブエノスアイレスの四季」は、それほどぴんと来なかった。
ここではチェロがずんずん前に出て来てほしいところだったが、当初の狙い通りの演奏だったせいか、いまいち聴き手に迫ってこなかった。
アンコールは3曲と大サービス。
最後の加藤昌則の「花読み人?」は京都の舞妓さんをイメージした曲とのこと。
最後のチェロのフォルテシモに和太鼓を二回鳴らしているような日本情緒が感じられた。
ということで、爽やかで大変楽しいコンサートだった。

宮田大&大萩康司スペシャル・デュオ

1.ジョン・ダウランド(角田隆太 編曲): さあ、もういちど愛が呼んでいる
2.ホアキン・ニン : チェロとギターのためのスペイン組曲
  Vieja Castilla
  Murciana
  Catalana
  Andaluza
3.レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(藤井敬吾 編曲): あげひばり
4.加藤昌則 : ケルト・スピリット~ギターとチェロのための~

休憩

5.モーリス・ラヴェル(大萩康司 編曲): 亡き王女のためのパヴァーヌ
6.ミシェル・ルグラン(角田隆太 編曲): 映画「ロシュフォールの恋人たち」より キャラバンの到着
7.アストル・ピアソラ(角田隆太 編曲): ブエノスアイレスの四季より “秋” “春”

アンコール

ダウランド:今こそ別れの時
スカボロフェア
加藤昌則:花読み人

宮田大(vc)
大萩康司(g)

2023年3月5日(日) 盛岡市民文化ホール中ホール R 8にて鑑賞





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2023年03月09日 11時58分09秒
コメント(0) | コメントを書く
[クラシック音楽] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.