2903979 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Profile

bunakishike

bunakishike

Recent Posts

Category

Archives

2023年05月19日
XML

ユージンコーポロン指揮ノーステキサス・ウインドシンフォニーのGIA WINDWORKSへのラスト・レコーディングの残りの一枚。
2019年から2021年に発表された最新作が集められている。
この前取り上げた「Sphere」よりいい曲が揃っていて、聴きごたえがある。
James M. David(1978-)のウインド・アンサンブルのための交響詩「Flying Jewels」はデヴィッド・ギリングハムのようなダークなサウンドが特徴。
彼はこれまでに数々の作曲賞を受賞しており、作品は世界中で演奏されているそうだ。
現在、コロラド州立大学の作曲と音楽理論の准教授を務めている。
この曲はブライアン・ドイル(1935-)のエッセイに基づいている。
このエッセイではヨーロッパ人が北アメリカで初めてハチドリに出会った際に彼らがハチドリをどのように表現したかが語られている。
ハチドリは脈拍が「1秒に10回」で、どれだけ強烈で情熱的に生きているかを示しているという。
木管の超高速のパッセージがハチドリの高速で動く羽を思い起こさせるようだ。
中間部のゆったりとした中間部では、ブルーホエールの1分にわずか8回しか鼓動しない様を表している。
少し憂いを帯びた旋律が美しい。
後半またハチドリのテーマが返ってくるが、そこにブルーホエールのゆったりとした旋律が重なり、感動的なコーダでエンディングを迎える。
金管と木管の対比が素晴らしく効果的で、後半のトロンボーンのサウンドが実に爽快。
エンディングのトランペットも実に鮮烈だ。
難曲ではあるが今後流行ること必至だろう。
「カリブの子守歌」はキューバのハバナで生まれたサックス奏者で作曲家のパキート・デリベラ(1948-)の作品です。
ラテンジャズの大御所らしいが管理人は聞いたことがない。
リーダーアルバム多数で、グラミー賞も10回以上受賞しているようだ。
この曲はジャズ的な要素はなく純粋な吹奏楽のオリジナル。
最初に現れるワルツや愁いを帯びたラテン風な旋律がエキゾチックで印象的だ。
ティンパレスなどのラテン楽器も使われ、トロピカル・ムードたっぷり。
また楽器の使い方が巧みで、特に低音の木管楽器のサウンドが魅力的だ。
テンポを速めた後半では木管アンサンブル中心の部分が、サウンド音楽とも実に素晴らしく、この曲も流行る可能性十分だ。
ジョゼフ・トゥリンの「And yet your touch upon them will not pass」はConrad Aikenの詩「Bread and Music」の一節からとられた。
コーポランの教え子で指揮者のJoan DeAlbuquerque(1967 - 2021)の思い出のために作られた5分ほどの曲。
曲の中ではJoan DeAlbuquerqueからとられた音列が使われている。
晩秋を思い出させるような哀切に満ちた調べに、時折痛切な響きも聞かれる。
グレッグソンのユーフォニアム協奏曲は交響楽団、吹奏楽団、ブラスバンドそれにピアノ伴奏版という4つの編成がある。
ユーフォニアムはサウンドがぼんやりしているので、訴える力が弱い気がするが、この曲はヴァラエティに富んだ曲想で大変大白い。
特に低音をバリバリと響かせているのは珍しい。
最後の「ケルトのバッカナール」はまさに手に汗握るという感じでぐいぐいと迫ってくる。
ソロは曲の献呈者であるデヴィッド・チャイルドで、彼は管弦楽伴奏での録音も残している。
ユーフォニアムと言えばふやふにゃとしたビブラートの演奏を思い浮かべてしまうが、チャイルドの演奏はビブラートがなく、パリッとした鋭角的なサウンドで、この曲にふさわしい。
マイケル・ドハティーの「American Gothic」は原曲(2014)が管弦楽で吹奏楽版は2019年に出版されいる。
2楽章は作曲家自身、1、3楽章はDanny Galyenによる吹奏楽編曲である。
この曲はアメリカの画家グラント・ウッドが1931年に書いた同名の油絵に基づく作品。
第1楽章は作曲者の言葉によると、アイオワ州の田舎の風景を連想させる音楽とのことだが、管理人には東洋的な旋律と不協和音が鳴り響き、ドハティー一流のいかがわしさ満点の曲と感じた。
リズミックでテンポの速い第3楽章はグラント・ウッドの「American Gothic」で描かれている三叉のピッチフォークのこと。
フィドル(ヴィオリン)も加わった、アイオワの踊りの風景が見えるようだ。
ここでも底抜けに明るい風景とは違う、苦みのあるテイストがドハティらしい。
第2楽章は冬の風景を描いているが、まとも過ぎてあまり面白くない。
録音はハーモニーが少し厚ぼったいが、全帯域にわたってエネルギー密度が高い。
ノイズ感は皆無で、ダークなサウンドは曲にふさわしい。
なお、ジャケットはグランド・ウッドのyoung corn(1931)で結構インパクトがある。

North Texas Wind Symphony:Raspair(Gia Publications GIACD1125)16bit 44.1kHz Flac

1.James M. David:Flying Jewels (2021)
2.Paquito D’Rivera:Caribbean Berceuse (2021) | (b. 1948)
3.Joseph Turrin:And yet your touch upon them will not pass (2021) | (b. 1947)
4.Edward Gregson(trans. Jack Stamp):Euphonium Concerto (2020) | (b. 1945), trans. Jack Stamp
   Dialogues
   Song Without Words
   A Celtic Bacchanal
7.Michael Daugherty(trans. Danny Galyen)American Gothic (2019)
   On a Roll
   Winter Dreams
   Pitchfork

David Childs(Euph track 4-6)
North Texas Wind Symphony
Eugene Migliaro Corporon

Recorded University of North Texas Winspear Performance Hall, Murchison Performing Arts Center, October 29–November 1, 2021; April 8–11, 2022





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2023年05月19日 18時10分04秒
コメント(0) | コメントを書く
[吹奏楽・ブラスバンド] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.