6年目の慰霊(霧藻が峰)
6年前に雲取山から三峯神社に抜ける際、滑落して亡くなられた女性がいました。奥多摩にある七ツ石小屋でほんの少しですが、うら若いその女性と話しをしました。汗びっしょりで小屋の中庭にあるテント場に来て、タオルで頭を拭いていました。昭文社の山と高原地図を持っていて雲取山までの時間を気にしていましたね。ゆっくり歩いても2時間程度だと答えたと思います。雲取山荘に泊る予定だと話していました。七ツ石小屋も停まれるんだよと言ったら、びっくりしていました。見た目も中身も古い小屋ですからね、七ツ石小屋は。でも、いい小屋なんだよね。楽しそうに奥秩父の山をいっぱい歩きたいと言っていたその姿を今でも記憶しています。そのようなほんのわずかな縁でしたが、亡くなられたことが新聞と埼玉県警のHPに出ていたのです。埼玉県山岳救助隊に電話して確認しました。知ってしまったからには、僕にできる最低限のことではありますが、慰霊したいと思ったのがそもそもです。で、今年は早めに行こうと思い、行きました。この時期ですので、人もほとんどいないでしょうし。3月下旬に行ってきました。最近ではなかなかブログにあげるのも、時間がかかります。早いものでもうすぐ6年たつのですね。六年は七回忌になります。本来七回忌は、ご家族やご親族の方がやられるものです。山小屋で一時話をしただけの自分がおこがましいのかもしれませんが、やれることはやってあげたいと思ったのがはじまりですし。多分、今回が最後となると思われるので、今のうちに行っておこうと思いました。登山道入り口。鳥居の右手に登山届のポストがあります。標高1300くらいになると雪が出てきました。地蔵峠。そして霧藻が峰。お線香をあげました。今回アイゼンは持ってきませんでした。雪があるかな、ないかなと思ったのですが、ま、大丈夫だろうとかんがえたのですが、前日の雨は標高が高いとやはり雪でしたね。霧藻が峰からお清平に下りて前白岩山まで行こうかとも考えましたが、けっこう急坂が待っています。鎖場もあるので、申し訳ないけれど霧藻が峰でまでとし、お祈りして戻りました。自分が遭難したら、何の目的で来たのか分からなくなりますからね。僕も山歩きを本格的に始めて、すでに13年経っています。山行回数も330回を超えました。里山から南北のアルプス、八ヶ岳等を歩きましたし、まあまあの経験はしてきたつもりです。でも、山での遭難を身近に感じたのは初めての事でした。助かったのならまだしも、命をおとされてしまったのです。死をかなり間近に意識しました。とても悲しいことだし、怖いことでした。自分はかなりの怖がり、どちらかというと臆病な方です。慎重にあるいていてもつまずくことはあります。つまずく原因が何なのか、それを考えられる余裕が必要なんだと思います。慰霊も今回で一区切りとしたいと思います。山は楽しいし、健康にもいいと思いますが、一歩間違えると大ケガというような場所もありますからね。どうかみなさんも慎重な山歩きをして、なおかつ山を楽しめれば幸いです。どうぞご自愛ください。おわり。