友人に教えてもらったんですけど、島じまんに行きたいなあ。
おけいこ日なんだけど。

伊豆諸島の中では、以前ちょっと書きましたが、御蔵島に行ったことがあります。
屋久島以上に巨樹がある自然豊かな島です。

このときは野生のバンドウイルカとドルフィン・スイムするのが目的でした。

宿は、バンガローを借りて、１０数名で自炊をしました。
知らない人同士なんですけど、合宿みたいで楽しかった。
島の商店で仕入れて、お約束のバーベキューやカレーを作り、
それに飽きてくると、海でおかずを釣ってきて南蛮漬けにしたりしました。

それから、裏山に豊富に生えているあしたばを摘んできてサラダにして食べました。

ある日、仲間がギターを持ってきていたので、港で歌っていると、
一人のおじいさんが近づいてきました。
昔、ご自分も弾いていたとかですっかり意気投合し、
おじいさんのお宅におよばれすることになりました。

われわれは大人数で、山の中をしばらく歩き、
おじいさんがひとりで住む、自分で建てたというお宅に行きました。

おじいさんはおもむろに、「ラーメン好きか？」といいつつ台所に立ちました。
サッポロ一番塩ラーメンに具は大量のあしたばだけ。
「すごくうまいんだよ」とのこと。
これがホントにおいしい。
ラーメンの塩味とあしたばのほんのり苦味がピッタリ。

食べながら、おじいさんは島の話を聞かせてくれました。
まわりに住むイルカのこと、ヘリでやってくる政治家のこと。
小さな島なので人口統制が厳しく、昔は長男以外は結婚が許されなかったこと。
だから、おじいさんはずーっとひとりぐらしなのだそうです。

別れ際に、おじいさんは自分で削ったというおはしを一膳ずつくれました。
わたしは、今でもそれを使っています。

そのとき撮った写真を、帰ってきてからおじいさんへ送りました。
それから、ちょうど１年後、例のギターひきさんから電話がありました。
また御蔵島に遊びに行ってあのおじいさんと再会したよ、
おじいさんから、写真ありがとう、と伝えてくれとのことでした。

また、あのあしたばラーメンが食べたくなりました。