A列車で行くべ!
昨夜、一気に憲法本の原稿を書き上げて、一服しながらスウィングガールズを見る。憲法本は締め切りまで塩漬けにして、校正をいれる。映画の方は、2004年の九月に公開されて、日本全国にスウィングガールズ現象を巻き起こした(らしい。)俺は、よく知らなかったのだけど、何となく気にはなっていた。見終わって、幸福感に浸っている自分がいたのだが、何がよかったのかよくわからない。どこにでもあり、あたりまえのようだが、不思議な感性に彩られた映画である。矢口史靖(しのぶと読むらしい)という若い監督の才能が息づいている。大仰なドラマ性とは程遠いのだが微細な味を見事につくりだしている。いやぁ、いいねぇ。にくたらしい女子高生たちが、キュートで、清清しい女の子に変身して行く。俺にも、年頃の娘がいて、彼女の荒れた高校生ぶりを身近に見ていたので、余計に、この映画が身体になじむ。そして見所はラスト。このラストを撮るだけのためにこの映画はつくられたといってもいい。ムーンラト・セレナーデメキシカン・フライヤーシング・シング・シングこれって、ほんとに彼女達の演奏なの?ジャズやるべ!ってはじまった彼女達が実際に楽器を覚えスウィングしはじめる。男所帯で育った俺にはどうも、女の子の世界ってものがよくわからなくて近寄りがたいような、おそろしいようなと、敬遠していたのだが、この作品で、キュートってのは、やはり女の子のための言葉なんだと納得した。主演の鈴木知子を演じた上野樹里を発掘してくれたスタッフに感謝である。A列車で行こうで、正月が始められたことを寿ぎたい。