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カテゴリ:哲学
【猿のごとく読み、人のごとく考える・その517・510冊目】 ・紹介する本 ・サノーさん一言コメント 「紀元前に繰り広げられた、天才たちの恋愛談義。恋を定義することにより、心の本質をあぶり出す」 【サノーさんおすすめ度★★★★★】 ・ウノーさん一言コメント 「はるか昔、はるか遠い地でも、恋愛の謎に迫ろうとした人がいたのです。人間の思想が2000年以上前から変わらないことに驚かされます」 【ウノーさんおすすめ度★★★★★】 ・サノーさん、ウノーさん読書会 サノーさん(以下サ):紀元前、いまから2300年前、ギリシアのある家のなかで「7人の哲人」が対話を繰り返していた。 ウノーさん(以下ウ):テーマは「恋愛」です。 サ:出席者は「バイドロス」「パウサニアス」「エリュクシマコス」「アリストパネス」「アガトン」「ソクラテス」、そしてプラトン。 ウ:神話で描かれた女神を考察しながら、人間における「恋愛」とはなにか、なぜ、そのような衝動が「生まれながらにして」備わっているのかを検討していきます。 サ:まあ、当時の「恋」というのは「少年愛」を意味しているが、その「位置づけ」はヨコに置いておいていいだろう。 ウ:現代では「変態」を連想してしまいますが、当時のギリシアではポリスにおける「義務」というか、「教育者の立場」からの「愛」なので、現代とは意味が違います。 サ:前半はギリシア神話のなかの「恋愛の神・エロース」が話題の中心となる。 ウ:これも現代では「誤解」されやすい「単語」ですね。 サ:いまは全く別の「意味」だからな。 ウ:でも、このなかの主張としては、現代と「同じような意味」で定義しようとしたものもあります。 サ:「美」と「肉体」と「恋愛」との関係性だ。 ウ:一方では連鎖であるとし、一方では異なるものだという主張です。 サ:「人間は本来、男女に分かれていなかった。しかし神への無礼からゼウスにより男女に分岐した。ゆえに、本来の完全な姿を追い求める動機があり、それは自然なことだ」という考察も面白い。 ウ:それに反論し、違う角度から検討したのが、「ソクラテス師匠」です。 サ:「恋とは、善きものと幸福への欲望である」という主張は、その場にいる哲人たちだけでなく、2000年経ったいまでも、多くの人に衝撃を与える「定義」だ。 ウ:これは、プラトンが「エロスとはなにか?それが私たちにとってどのような意味を持つのか?」という疑問を投げかけ、それに対し、ソクラテスがマンティネイアという都市に住む巫女であり預言者である「ディオティマ」から聞いた話で答えた「結論」です。 サ:この討論の結論はないが、哲人たちが見出した方向性は確認できる。 ウ:「恋における良さは、世間的な利益、あるいは道徳的、宗教的な善とは本質的に異なる」という指摘は、大いに同意です。 サ:これが紀元前の「大人たち」が検討した「恋バナ」だ。 ウ:その姿を想像しながら読むと、楽しさ倍増です。 サ:ただし、これらは全て、プラトンの「解釈」によるものであることを念頭に置く必要がある。 【了】
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最終更新日
2018年08月03日 08時07分08秒
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