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カテゴリ:小説・フィクション
【猿のごとく読み、人のごとく考える・その524・516冊目】 ・紹介する本 ・サノーさん一言コメント 「記憶を失ったときから、主人公は一人四役をこなす。探偵、被害者、証人、そして容疑者」 【サノーさんおすすめ度★★★★★】 ・ウノーさん一言コメント 「自分という存在は、自分では証明できません。数々のトリックに挑みながら、自分の過去と未来を暴く物語です」 【ウノーさんおすすめ度★★★★★】 ・サノーさん、ウノーさん読書会 サノーさん(以下サ):病院のベッドの上から始まるミステリーは、意外と多い。 ウノーさん(以下ウ):この作品の世界的成功によって、世界中に広まった「テンプレート」ですね。 サ:そして、主人公が「記憶喪失」である点も、たびたび使われる「シチュエーション」だ。 ウ:自分がなにもので、なにをしてきて、どうなるのかを「自覚」しない状況は、謎を解きながら読み進める「ミステリー」というカテゴリーには、ぴったりの設定です。 サ:ともすれば、作者の「ご都合主義」に陥りがちな設定だが、さすがに、この「元祖」というべき作品は「破綻」せず、謎解きを楽しみながら、「自分は誰なのか」を探る旅を楽しむことができる。 ウ:火事により、容姿も変わってしまったという設定は、乱暴な感じもしましたが、それを「リアル」にしてしまう「根拠」が、ちゃんと「トリック」として書かれています。 サ:些細な表現や、登場人物の姿が、ちゃんと「伏線」として成立し、「真相」へとつながっていく様子は、職人芸の域だと思う。 ウ:よくある「遺産相続もの」とも違い、人格や個性といった「人間性を利用したトリック」にまで発展しているのは、さすがだと思いました。 サ:周辺の人物の葛藤、主人公が「記憶がない」という異常事態に直面した時の「迷い」と「行動」が、ミステリーの枠を超え、人間行動の分析まで至っている。 ウ:主人公が「被害者」の立場から「探偵」へと変身し、さらに「証人」となる過程は、読み応えがあります。 サ:そして「真相」を追求するほど「自分が犯人ではないのか?」という疑念が大きくなっていく「仕掛け」は、本当によくできている。 ウ:読み手も主人公に感情移入しつつ、途中で「迷う」ことになります。 サ:そして、タイトルの意味が、最後の一行で「収束」する。 ウ:「シンデレラ」は誰だったのか。その「真相」に驚かない人はいません。 【了】
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最終更新日
2018年08月10日 09時13分36秒
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