夏の終わりの乱読・駆け足ブックレビュー(2)
今日でとうとう夏休みもお終いです。宿題やったかー?頭洗えよー!(←ドリフ)では、長かったようであっという間だった夏休みに惜別の想いを込めて、ブックレビュー後半戦行ってみよーかー。1)ダ・ヴィンチ・コード上・下(ダン・ブラウン:角川書店)今話題の本だけあって面白かったー!秘密結社、カルト宗教、暗号学、言語遊戯、シンボリズム等のウンチクがてんこ盛りで知的好奇心を大いにそそられる。でもそれらが単なる衒学趣味に淫していなくて、優れたエンターテインメントとして機能しているからスゴイ。ダ・ヴィンチの絵に隠された秘密から話がいつのまにか聖杯伝説に発展したのには驚いた。どこまで史実か疑いながら読むのも一興。最後まで敵か味方かわからない展開は心臓に悪いぞ!ドキドキ★映画化が決まっているそうだけど、宗教関係者のクレームはつかないのか!?2)未来少女アリス(ジェフ・ヌーン:ハヤカワ文庫)あとがきに(私は最初にあとがきから読むタイプなのです)作者は前衛SFの旗手、とあったのでどんなにシュールでパンクな内容かと懸念してたら、割とオーソドックスにキャロルの原作をなぞった構成ざんした。言語遊戯要素が多くて、訳者の苦労が偲ばれるけど(『ガープの世界』≒『カープの球界』には思わず笑いました)ここは訳注として原語ではどういう駄洒落なのか明記すべき。そこが一点、惜しいと思った。ゴスロリ調コミックみたいなイラストも可愛い。3)フレディ3:ハムスター救出大作戦(ディートロフ・ライヒェ:旺文社)言葉がわかるハムスターのフレディシリーズ第3弾。これでシリーズを全部読破したことになる。開発予定地に住む野生のハムスターを救うお話。自然保護団体や社会派ジャーナリストが活躍するあたり、現代ドイツのお話だなあと思った。ここで言ってる野生のハムスターってクロハラハムスターのことだよね?4)アリスの夜(三上 洸:光文社)恋月姫さんの球体人形の表紙が印象的。ストーリー自体は幼児売春や凄惨なリンチが出てきて下世話なんだけど、大人が淫する欲望のままに想像する理想的なアリスが出てくるのでそれほど嫌悪感なく読める。でも作者のクセなんだろうけど、アリスも中年オヤジも笑い方が「あは」なのは気色悪いからヤメテくり。(^_^;)それとクライマックスになって急に主人公の中年オヤジがありえない力を発揮するのは嘘くさすぎて興ざめ。普通あそこまで傷ついてたら死ぬだろー。5)あさぎ色の風-くれない(藤堂 夏央:コバルト文庫)いまだに新撰組マイブームの私です。図書館の新刊コーナーでかっこいい土方さんの表紙を見た途端借りました。(笑)でも既にシリーズものの3巻目だった…作者がBL系の人なのでそういう内容かと期待したら(爆)結構忠実に史実をなぞったフツーの内容でした。なーんだ。(殴)今時点で浪士組が京に着いたばかりで芹沢さんもまだ生きてる。3ヶ月に1冊ずつ続巻が出るらしいがもう読まないな、きっと。(笑)6)横溝正史一連の金田一モノ多数(角川書店、春陽堂)金田一耕助のガイド本を買ったので、また読み直してみました。横溝って夏の暑い最中に読むのが一番向いている気がするわ。それも東京が舞台の話より田舎の旧家が舞台の方が趣きがあるわよね、やっぱり。金田一耕助には多摩地区の大規模団地とかは似合わないー!***************************************************夏のブックガイド、いかがでしたでしょうか。これからも読書感想日記は書いていくと思いますが、こんなにまとめて書くことはもうないんじゃないかな。結構疲れたぜ。(笑)