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カテゴリ:美術館・博物館
抽象絵画の創始者「ワシリー・カンディンスキー 」の作品を何点か研究してみました
フィンランドの流氷とともに 私の『カンディンスキー美術館』 ワリシー・カンディンスキー Vassily Kandinsky 1866年12月4日〜1944年12月13日(78歳没) ロシア出身の画家・理論家。 抽象絵画の創始者。 ドイツ・フランスでも活躍。 Vassily Kandinsky Mosca 1866-Neully-sur-Seine 1944 Sunday-old pussia 1904-1905 Woodcut on paper 18.0cmx27.0cm ヴァチカン市国「ヴァチカン美術館」所蔵。 カンディンスキーは・・・ 抽象画家でありながら、自然とその法則、 その論理を深く愛し、のみならず現実より 世俗的な側面をも愛していた Vassily Kandinsky Blue Mountain(Der blaue Gerg)1908-1909 Oil on canvas(油彩・カンヴァス) 106.0cmx96.6cm 『青い山』1908年〜1909年 ニューヨーク「ソロモンR.グッゲンハイム美術館」所蔵。 垂直に切り立つ赤と黄の岩肌(?)を背景に、 中央に青々と山がそびえ。 その手前を白馬にまたがる男たちの一行が横切る! 赤・青・黄の面を主体とした堂々たる構図と、 白馬の隊列がもたらす斜めの動きが噛み合って、 みごとな効果を上げている。 この作品のすぐ後に、 やはりターバンと長衣をまとう男たちの登場する 『インプロヴィゼーションII』などが描かれており、 一連の作品には、 エキゾティックなテーマが潜んでいるようだ Vasily Kandinsky French,born Russia.1866-1944 Picture with an Archer 1909 Oil on canvas 177.0cmx147cm 『射手のいる絵画』1909年 (射手のいる絵) ニューヨーク「近代美術館」MOMA所蔵。 馬上の射手は、カンディンスキーの好みの主題のひとつ。 この絵の射手は後ろ向きで、 狙っているものもはっきりぜず、 この点では、これ以前の作品とは違っている。 左前にはふたりの人物が見え、 またふたつの岩に囲まれて、 性格不明の建築的モティーフが見える。 何本かの木と緑っぽい形態は風景を暗示している。 Vassily Kandinsky Vassily Kandinsky1866年-1944年 Im provisation XIV,1910 Huile sur toile 74.0cmx125.5cm 『インプロヴィゼーションXIV』 『即興 HIV』1910年 パリ「ポンピドゥー・センター」(国立近代美術館)所蔵。 カンディンスキーは、 二人の騎士の対決を描き、 色彩と線のダイナミズムを高揚させることを目論んだ! カンディンスキーの述べるところによれば、 動きの概念を絵画表現に託することによって、 「ダイナミックな事実」をこの絵に集約しようと考えたのである。 Vassily KandinskyImprovisation28(second version) (Improvisation28[zweite Fassung])1912 Oil on canvas 113.0cmx158.0cm 『即興28』1912年 『即興XXVIII』(第二版) 『インプロヴィゼーション28』 ニューヨーク「ソロモン・R・グッゲンハイム美術館」所蔵。 Vassily Kandinsky Small Pleasures(Kleine Freuden)June 1913 Oil on canvas(油彩・カンヴァス) 109.8cmx119.7cm 『小さな喜び』1913年6月 ニューヨーク「ソロモン・R・グッゲンハイム美術館」所蔵。 1912年10月〜12月、モスクワに帰郷したカンディンスキー が、 ドイツに戻って間もなく、6月に完成したのがこの作品であり、 ちなみに同じ月には、 彼はモスクワを謳いあげて終わる「回想」を書き終えている。 画面中心に聖堂を戴く丘の上の都市が描かれ その彼方(右上コーナー)に天上の都市が見える。 また画面右手には荒波の中のボートが、 左下には、男女のカップルが、 左上には、山稜を駆け上がる騎手や、 赤々とした太陽などが配されている。 タイトルの中の「喜び」が複雑形であるのは、 いくつもの小さな喜びを抱きとめるものとしての 大きなモスクワといった意味でしょうか? 1866年-1944年 Im Grau,1919 [Dans le gris] 『灰色のなかに』1919年 (灰色の中に) Huile sur toile 129.0cmx176.0cm パリ「ポンピドゥー・センター」(国立近代美術館)所蔵。 この大作は「コンポジション」シリーズに加えるべき作品。 この作品は、よく知られた作品であり、 完成された作品であり、 抽象的、風景と複雑かつ 広々とした背景に浮かぶ長い形態を、 変化に富んだ薄塗りの灰色の中で 組み合わせたものである。 Vassily Kandinsky Circles on Black(Krugi na Chyornom)1921 Oil on canvas ニューヨーク「ソロモン・R・グッゲンハイム美術館」所蔵。 Vassily Kandinsky Sin titulo(Unitled)1922 Acuarela y tinta sobre papel スペイン・マドリッド「ティッセン・ボルネミッサ美術館』所蔵。 Vassily Kandinsky En el ovalo claro 1925 In the Bright oval Oleo sobre carton スペイン・マドリッド「ティッセン・ボルネミッサ美術館』所蔵。 Vassily Kandinsky 1866年-1944年 Gelb-Rot-Blau,1925 [Jaune-rouge-bleu] 『黄・赤・青』1925年3月〜5月 Huile sur toile(油彩・カンヴァス) 127.0cmx200.0cm パリ「ポンピドゥー・センター」(国立近代美術館)所蔵。 ひとえに赤・青・黄の三原色というが・・・ これは言葉の上、 図表の上の区分かけに過ぎず、 カンディンスキーが扱うのは、 それらの無限かつ具体的なヴァリエーションだ この作品では 濃い紫と黄(補色関係)の地の上に、 黄・赤・青のゾーンが並んでいる。 陰の主役は「円」である。 輪郭のはじけた円(黄のゾーン)から、 円と短形の蓄積するゾーン(赤)へ、 そして青い正円へと、 3つのゾーンは、 「円」を変奏しながら、 左から右上へとゆるやかに動いていく。 Vassily Kandinsky Several Cireles(Einige Kreise) January-February 1926?? Oil on canvas 129.4cmx131.1cm 『黒い線1』1913年 ニューヨーク「ソロモン・R・グッゲンハイム美術館」所蔵。 Vassily Kandinsky Several Circles(Einige Kreise) Januari-February 1926 『いくつかの円』 『多数の輪』1926年 Oil on canvas(油彩・カンヴァス) 140.0cmx140.0cm ニューヨーク「ソロモン・R・グッゲンハイム美術館」所蔵。 妻ニーナは、1925年〜1927年を カンディンスキーの「円の時代」と呼んでいる 円は、それ自身のうちに いかなる方向性ももたない図形であるが、 本作品を見るとわかる通り、 円相後の関係は、 画面にさまざまな方向性をもたらすし、 大小の違いは、 奥行き方向の運動や浮き沈みを示唆する。 変化のある黒は・・・ 色とりどりの円の存在感を際立たせ、 また画面に宇宙的な静寂を授けている Vassily Kandinsky 1866年-1944年 Auf Spitzen,1928 [Sur les pointes] 油彩・カンヴァス 140.0cmx140.0cm 『尖りに拠って』1928年 パリ「ポンピドゥー・センター」(国立近代美術館)所蔵。 空中に懸かるステージの上で、 倒立した鋭角三角形の上に 円を載せた不安定な線の構造体が、 右に左に揺れている。 空中に浮かぶ円、 台の上に置かれた小さな正方形と比べても、 それらの形はいかにも不安定であり、 ここではバランスを取って立つことの 危うさじたいがテーマになっているようだ また、画面中央の上方にまた一つ、 三角形の尖端が見えており、 それらの形象は空から降りてきて ステージに降り立ったもののようです Vasily Kandinsky French,born Russia.1866-1944 White-Soft and Hard 1932 Oil on gouache on canvas カンヴァスに混合技法 80.0cmx100.0cm 『白、柔らかく、そして堅く』1932年 The Riklis Collection of McCrory Corporation,1985 ニューヨーク「近代美術館」MOMA所蔵。 Vassily Kandinsky 1866年-1944年 Trente,1937 Huile sur toile パリ「ポンピドゥー・センター」(国立近代美術館)所蔵。 Vassily Kandinsky 1866年-1944年 Entassement regle,1938 『規則的な体積』1938年 (多彩色なアンサンブル) Huile et ripolin sur toile 116.0cmx89.0cm パリ「ポンピドゥー・センター」(国立近代美術館)所蔵。 この作品は、顕微鏡で見た細胞のようであるが この類推は正しくない! それはふたつの点から証明できる。 まず題名である。 カンディンスキーの題名は、 常に作品を説明する但し書きである。 ここでは形態要素が、 何らかの秩序に従って沈殿し堆積していることを表している。 ふたつめの理由は、 色彩のポリフォニーは、 「自然」の要素を思わせるものが何もない。 ということである。 Vassily Kandinsky Various Actions August-September 1941 Oil and enamel on canvas カンヴァス 混合メディア 89.0cmx116.ocm 『さまざまな動き』1941年 『様々なアクション』 ニューヨーク「ソロモン・R・グッゲンハイム美術館」所蔵。 有機的形態と幾何学的形態、 大きなものと小さなものとの戯れを表したような絵で、 その題名に示されるように、 軽快な線的要素が絡み合っている。 (写真撮影:ほしのきらり)
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最終更新日
2022.01.31 00:10:12
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