平方根でもあり 素数でもあった天才「あなたが普通じゃないから世界はこんなに素晴らしい」~映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』
みなさん、こんばんは。昨日は台風の影響で雨が降りました。明日あたりひどいのでしょうか。本日もまたまたカンバーバッチ主演作品を紹介します。映画イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密を見ました。イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密THE IMITATION GAME出演ベネディクト・カンバーバッチ チャールズ・ダンス マーク・ストロング キーラ・ナイトレイアカデミー脚色賞 第2次世界大戦下の1939年イギリス、ケンブリッジ大学の若き天才数学者アラン・チューリングは誘いを受けて田舎町の政府施設を訪ねる。そこで託された極秘任務こそ戦争の行方を左右するドイツ軍の暗号エニグマを解読するチームの一員となる。高慢で不器用な彼は暗号解読をゲーム感覚で捉え、仲間から孤立して作業に没頭していたが、やがて理解者が現れその目的は人命を救うことに変化していく。いつしか一丸となったチームは、思わぬきっかけでエニグマを解き明かすが……。 1951年英国マンチェスター。一室で目を閉じるアラン。 「ちゃんと聞くか?よろしい 注意を払っていないと聞き逃してしまう。大事な事は繰り返さない。話の邪魔もされたくない。我々は今こういう状況で坐っているから君に主導権があると思うだろう。だが違う。主導権は私にある。君が知らない事を知っているから Are you paying attention? Good. If you're not listening carefully you will miss things. Important things. I will not pause, I will not repeat myself, and you will not interrupt me. If you think that because you're sitting where you are and I am sitting where I am that you are in control of what is about to happen, you 're mistaken. I am in control, because I know things that you do not know. 」「君に約束して欲しい。注意して聞き、話し終わるまで私を非難しないこと。約束できないなら出ていってくれ。ここに残るならそれは君が決めた事。これから起きることは私の責任ではない。君の責任だ。注意して聞けWhat I will need from you now is a commitment. You will listen closely, and you will not judge me until I am finished. If you cannot commit to this, then please leave the room. But if you choose to stay, remember you chose to be here. What happens from this moment forward is not my responsibility. It's yours. Pay attention.」ボイスオーバーが終わった後、盗難に入られたというのに届けを出さないチューリングを‘単なる変わり者’としてはひっかかるものを感じた刑事(これがチューリングが語りかけていた相手)が探り当てた結果として、チューリングの若き頃に舞台が移る。 この映画は現在→戦中の過去→チューリングの幼少期と全部で三つの時間が並行して登場する。演じるカンバーバッチのもう一つの当たり役、サイコパスのシャーロックのように、チューリングもなかなか他人とのコミュニケーションが取れない。例えばエニグマ解読チームの一人 ジョンが昼に行こうよ、と言い出したある日の会話。 ジョン「皆 ランチに行こう!The boys, we're going to get some lunch. 」反応がない「アラン? Alan? 」アラン「何?Yes? 」 ジョン「ランチに行こうと言った I said we're going to get some lunch. 」反応がない「 アラン? Alan? 」アラン「何?Yes? 」ジョン「聞こえてるか?Can you hear me? 」アラン「ああ Yes. 」ジョン「ランチに行こうとI said we're off to get some lu-...何度言わせるんだThis is starting to get a little bit repetitive. 」アラン「何を? What is? 」ジョン「ランチに行かないかと聞いたんだ I had asked, if you wanted to come have lunch with us. 」アラン「 いや、君は君たちがランチに行くと言ったNo, you didn't, you said you were going to get some lunch. 」ジョン「Have I offended you in some way? 」アラン「なぜそう思う?Why would you think that? 」ジョン「 Would you like to come to lunch with us? 」アラン「What time's lunch time? ランチがいつだって?」ヒュー「Christ, Alan, it's a bleeding sandwich.全く、アラン、たかがサンドイッチだ 」アラン「What is? 」ジョン「 ランチだLunch. 」アラン「サンドイッチは嫌いだOh, I don't like sandwiches. 」ジョン「 Nevermind.もういい 」あー、まどろっこしい!万事がこんな風なので人からは誤解されやすい。いや、誤解されるように振る舞っているとしか思えない。当然敵もいるし、秘密もある。普通でありたい、とチューリングが思ったかどうかは知らないが、普通でない事に他人が向ける敵意、暴力はひしひしと感じただろう。そんな時、かつての級友クリストファーの言葉「想像しないような人間が想像できないような偉業を成し遂げるSometimes it's the very people who no one imagines anything of who do the things no one can imagine.」が支えとなる。この言葉はクリストファーからチューリングに投げられ、チューリングが後にチームの一員となるジョーンに、そしてジョーンから失意のチューリングにキャッチボールされ、本物とも偽物ともつかない謎の人生を送った彼に、後世の人々がかける暖かな言葉となる。イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 [ ベネディクト・カンバーバッチ ]楽天ブックス