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テーマ:中国留学日記(314)
カテゴリ:語学
大雨が降り雷が響き渡る夜を越した昨日の成都は、私が成都に来てからの2年間で、初めて見る快晴でした。向こうに建つビルがくっきりと見え、学内の緑が鮮やかにきらめき、吸う空気も新鮮でした。
大雨のおかげで温度が下がり、めったに見ることが出来ないまぶしい太陽が出てても、気温が上がることはなく、相当気持ちの良い1日を過ごせることが出来ました。 けふはちょっぴり暑かったけど、この先、毎晩雨が降って翌日の気温があまり上昇しないことを望むばかりです。 時々、人口雨を降らせるそうですが、これは何も悪影響はないのでしょうか。 面白い授業を受けました。『漢語と民俗』です。 言語と風俗習慣、文化は密接な関係があるそうです。 日本人にも言えることですが、数字の”し(4)”という音はあまり好かれていません。 理由は”死”と音が同じだからです。 でも、”そ”と”み”は”そ”のほうが響きが良いとか、”ほ”は一番響きが良いなんてのはないはずです。個人的な「俺は”せ”が好きなんだ~」というのは例外とします。 中国ではこの意識が更に強く、それは一般的な言葉にも及んできます。 例えば中国人民の愛する”he”。 ”和(中国語発音:he)”の意味は平安、平和、和睦などの意味があるから、皆”he”の音が好きになります。 もう1つ例を上げますと”ji”。 ”吉(中国語発音:ji)”の意味は、日本人なら言わずとも分かるでしょう。なので、中国人民は”ji”の音を愛するのです。 これは、音や漢字以外にも影響を及ぼしています。 ある絵には、馬の背に座った猿と蜂が描かれています。何の意味だか分からないでしょう。犬猿の仲でもありませんし。更に、蜂!?と思うでしょう。 キーワードは”馬の上に猿と蜂”です。 中国語の発音では、馬はma、上はshang、猿はhouzi、蜂はmifengです。これが”馬上封侯”という言葉と同じ音になります。この言葉は”すぐに天子が高い位を自分に封ずる”という意味があります。 またある絵には、木犀の花とこうもりが描かれています。木犀の花は良いとして、中国でも、こうもりは不吉な気持ち悪い動物とされています。でも、すごくめでたい言葉なんです。 キーワードは”こうもりに木犀が添えられている”です。 木犀は中国語で”桂花(guihua)”、こうもりは”蝙蝠(bianfu)”。桂花に蝙蝠が添(tian)えられてるということで”fu tian gui zi”となります。ここでの”zi”ですが、中国語には”子(zi)”を単音漢字の後ろに付けて名詞とすることがよく見られます。意味は変わりません。 この”futianguizi”は”福添貴子”という言葉と同じ音になります。ここの”貴子”とは”男の子”のことで、男の子が生まれてくる事を祈願した言葉となります。 それと、石の上に大きな鶏が乗ってるものもありました。 キーワードは”石の上に大きな鶏”です。 ”石(shi)”の発音と”室(shi)”の発音、”鶏(ji)”の発音と”吉(ji)”の発音が同じと言うことで”室上大吉”という言葉になります。意味は自分の家に吉がやってくるという意味だと思います。 好きな音があれば、嫌いな音もあります。 代表的なものに”四”があります。 ”四”の中国語の発音は”si”、”死”の中国語の発音も”si”。よって、中国人は必死になって”si”を使わないようにしています。なので”行った”や”天に昇った”、”西の空に行った”など、死を表す言葉が50近くもあるそうです。 舌の”舌頭(shetou)”は、損をするという意味の”折本(sheben)”と”she”の音が同じなので、”舌頭”とは言わずに”利子(利益)”と言うそうです。四川でも舌頭のことを利子と呼ぶそうですが、舌を使った料理も”○○利子”と呼ぶそうです。 劇団などでは、解散の意味のある”散(san)”を嫌って、”傘(san)”を”蓋子(gaizi)”と呼ぶそうです。蓋子とは鍋などのふたの事です。傘で自分にふたをする感じなんでしょう。 ちょっと行き過ぎと感じるものもありますが、言語は民俗習慣や文化と密接に結びついてるということです。こういう見方をすると、日本語にもたくさんの新しい発見があるのかもしれないですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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