大規模修繕の裏ワザ(数量書類の二重作成)
特定の工事業者が大規模修繕工事を受注しやすくするために、悪質な設計事務所は二重に数量書類をつくることがあります。設計事務所は、劣化診断から導き出された情報をもとに竣工図面から、工事内容ごとに改修工事数量の拾い出しを行います。工事業者はこの数量をもとに単価をつけ、見積を作成、管理組合に提出します。たとえば設計事務所が全体に15%程度多めに数量拾いをすれば、正確に拾い出しした数量よりも15%高い見積が提示されることになります(15%数量が多いからと言って、単純に15%金額が高いということは実際にはありませんが・・・)多めに数量拾い出しをした書類を共通仕様書として見積を取る各業者に提示し、便宜を計らう特定の一社に正確な数量拾い出しをしたデータを内緒で見せます。他社は多めの数量を信じて見積を作成します。設計事務所が便宜を計らう工事業者は本当の(少なめな)数量を知っているので、利益率をしっかり確保した上で、リスクなく他社より安い見積を提示ができ、工事業者間で談合をせずとも、高い確率で仕事を受注することが可能です。悪質な設計事務所は、契約先の管理組合が不利益となることなど歯牙にも掛けず、多額のリベートをもらえることに目がくらみ、特定の工事業者に便宜を計らいます。設計事務所が多めに数量拾いをしても、マンションに積算のエキスパートがいるか、第三者の専門的なチェックを入れない限り、管理組合は全くわかりません。前回の大規模修繕工事の数量と比較し、多めではないか?と指摘しても、前回の数量拾いがいい加減だったとか適当なことを言ってはぐらかします。初めからチャンピオンと呼ばれる工事業者が、設計事務所の影武者として診断業務や設計業務を行う時にも、上記のような仕込みをすることがあります。特定の工事業者に仕事を優先して回す、工事業者の営業代理店のような役割をする設計事務所も・・・マージンが入ることを前提にしているので、管理組合へはコンサルタント費用を安く提示できます。工事業者におんぶにだっこなので、改修の技術力が備わってなくとも何ら問題がなくコンサルタント業務ができます。高すぎるコンサルタント、安すぎるコンサルタント。あまりにも「話がうますぎる」コンサルタントには要注意です! にほんブログ村