|
カテゴリ:books
平成3年、生命を誕生させるはずの分娩室で行われた後期妊娠中絶。
数百にのぼる胎児の命を奪ってきた助産婦・桐山冬子がその時見たものは、 無造作に放置された赤ん坊の目に映る醜い己の顔だった。 罪の償いのため生きていくことを決意する冬子。 その日から決して声高に語られることのない、生を守る挑戦が始まった。 平成15年。冬子は助産婦をしながら“天使の代理人”という組織を運営していた。 突然銀行でのキャリアを捨て精子バンクを利用して出産を決意した川口弥生、36歳。 待望の妊娠が分かった直後、人違いで中絶させられた佐藤有希恵、26歳。 何も望まぬ妊娠のため中絶を考えたものの産み育てることを選んだ佐藤雪絵、20歳。 それぞれの人生と“天使の代理人”が交錯し、ひとつの奇蹟が起ころうとしていた・・・ 自分は妊娠も中絶も経験はないけれど 深く考えさせられるテーマでした。 「嫌われ松子の一生」もそうでしたが 本当にあった話?と思わせるほど、現実感あるストーリーです。 「ランチブッフェ」は短編でちょっと物足りなく感じてしまったけど 山田宗樹長編、結構好きかも。 産婦人科の現実や、中絶を決断した彼女たちの気持ちなど 賛成派も反対派も、こんな風に考えている人が 実際にいるんだろうなと思わされます。 中絶しようとしたけれど産んだ彼女。 中絶させられたけど、別の赤ちゃんを応援した彼女。 法律を無視してでも子供を守ろうとしていた彼女の将来。 少しずつつながって行く彼女たち。 それぞれのラストに感動でした。 この一冊こそが「天使の代理人」! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Jul 6, 2007 09:24:43 PM
コメント(0) | コメントを書く
[books] カテゴリの最新記事
|