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テーマ:教育問題について(398)
カテゴリ:教育
《変化が激しく、そのスピードも速いグローバル社会。世界各地で起きている事象が複雑に絡み合い、先を見通すことが難しい時代とも言える。過去の成功事例もあっという間に陳腐化し、これまでのやり方に拘(こだわ)っていてはジリ貧に。「何をすればいいのか?」「どうすればいいのか?」誰もその答えがわからず、手探りで進むことを余儀なくされている》(大前研一『挑戦 新たなる繁栄を切り開け』(ビジネス・ブレイクスルー出版)、p. 110) グローバル社会に打ち勝つためにはどうするのかという発想である。が、<変化が激しく、そのスピードも速い>からこそグローバル社会自体が進路を誤り座礁する可能性も高いというべきだろう。この本は2013年の出版であるが、米国のトランプ前大統領が米国第一を主張するなどグローバリズムにはかつてほどの勢いはない。まして国家君が代に象徴されるように、日本人はおおらかな国民なのだから、わざわざ行き先の分からぬグローバル社会のお先棒を担ぐ必要はない。が、グローバリズムは扨(さ)て措くとしても、「何をすればいいのか?」「どうすればいいのか?」分からない問題は実際たくさんある。 《いわゆる“正解”がない時代に、生き残って成果を上げるために必要な力とは何なのだろうか? 専門知識やスキル、つまり「専門性」ももちろん必要であろう。「自分はこれができる」というのは大きな強みである。ただ、その「専門性」はこれから先も強みであり続けるのだろうか。また、「専門性」は1つ身につけて深めておけば安泰なのだろうか。過去の歴史を振り返ってみると、多くの「専門性」を必要とする仕事があった。しかし、現在、その多くがコンピューターやソフトウェア、ロボットに取って代わられている。人以外のものに取って代わられていなくても、誰でもできる付加価値が低い業務はより人件費の安い国に移されるなど、絶え間なく変化が起きていると言える。 繰り返しになるが、「専門性」が必要ないと言っているわけではない。自分が関わる分野に対する知識やスキル、ノウハウがあった方が仕事で成果も上がる。また、仕事で成果を上げていくためには直面する問題を解決していく必要があるが、ある程度パターンが決まっていて「どのようにすればどうなるのか」、つまり「答え」が大体わかっている問題を効果的・効率的に解決することができる。いわゆる勉強ができて学歴の高い「アカデミック・スマート」と言われる人たちが得意とするものだ。それにより、これまで日本もビジネスなどにおいて高い成果を上げてきた》(同、pp. 110-111) 明治維新以降、日本は欧米に追い付け追い越せという考え方でやってきた。欧米という<答え>を後追いすればよかったから、知識詰込み型のエリートを育成すればよかったわけである。が、欧米に追い付き先頭集団の一員となった今、我々は答えの無い問題に答えを出すべき立場となった。当然そのことを踏まえ教育内容も改めなければならないのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.12.16 21:00:07
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