カテゴリ:言葉(言語)・文字関連
『近溢(きんいつ)』という言葉があるのかないのか? 誰かの造語なのかどうか? も存じませんが、わたしはこの言葉を『古希(こき)』の反対語として認識しています。
『古希』すなわち年齢70歳のこと。これを訳すると ”人生七十年 古きより稀なり” と言われたものですが、今やこの言葉は完全にリアリティを失ってしまって、むしろ空虚にすら聞こえます。 この言葉は唐の詩人杜甫の ”酒債は尋常行く処に有り 人生七十古来稀なり”(酒代の借りは私が常に行く所、どこにでもある。しかし七十年生きる人は古くから稀である” との故事が出どころとされている。 その昔は、70歳まで生きる人はごく稀で多くはいなかったということ。 そしてこの反対語の『近溢』という言葉の意味を解するに、”人生七十年 近頃巷に溢れるものなり” ということなんだろうと考えている。 つまり、七十歳の人なんか今日のこの長寿社会では当たり前どころか、まだまだ ”若手” なんていう人もいるくらい、今どきごろごろいて、「石を投げれば七十歳以上に当たる!」なんてほざいている若者もいるくらいです。 わたしはこの言葉『近溢』を何で知ったのかは思い出せません。 きっと何かの本の中に出てきた言葉だと思っています。それ以外この言葉が出てきそうな映像とか画像が思い当たりません。 この『近溢』、字面はあまり重みを感じませんし、なんといっても使いなれていないしまったく見かけることもないわけですからありがたみもありませんが、この辞書にも出ていないこの言葉、なかなか含蓄のあるいい言葉だと思っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.12.19 04:00:07
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