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2015.07.26
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カテゴリ:音楽
私のやっているフォルクローレという音楽※には、ケーナとサンポーニャという2種類の笛が使われています。
ケーナは日本の尺八とまったく同じ構造の縦笛(吹き口の切込みが尺八より深いので、音はずっと出しやすい)で、縦横の違いはあるけれどフルートや篠笛とも音を出す原理は同じです。
一方、サンポーニャは、パンパイプと呼ばれる笛の一種で、底の塞がった長さの異なる管を並べたものです。ビール瓶で音を出すのと同じ理屈です。
・・・・・・という話は、おそらく当ブログを以前から見ていただいている読者の皆さんはご存知のことと思います。

※フォルクローレの中でも、ボリビアの、ネオ・フォルクローレと呼ばれる、現代的なスタイルの音楽に限った話です

Quena01.JPG
これがケーナ

zanpon~a13100614.jpg
これがサンポーニャ

もともと、ケーナもサンポーニャも、先住民が古い時代から受け継いできた楽器が元になっています。ただし、現在使われているケーナやサンポーニャは、音程も奏法も、そもそも音楽そのものも、先住民の伝統的な楽器とは相当に変わっています。現在のスタイルのケーナやサンポーニャが完成したのは、せいぜい1960年代頃の話で、実はそれほど古いものでもありません。

ところで、ケーナとサンポーニャ、日本では知名度があるのはどちらでしょうか。
多分、圧倒的にケーナのほうが知名度があると思います。なんてったって、かの「コンドルは飛んでいく」はケーナの曲であってサンポーニャの曲ではありません。サンポーニャで吹く人がいないわけではないけれど。近年は、ある著名な俳優さんが吹いているということでも知られていますね。

では、ボリビアではどうなんでしょうか。
実は、現代的なスタイルのフォルクローレが世に出た当初(前述のとおり1960年代のこと)は、ケーナのほうがずっと演奏に使われる機会が多かったようです。

ボリビアの現代的フォルクローレの始祖とも言える「ロス・ハイラス」というグループがあります。

1960年代後半から70年代にかけて活躍したグループで、ケーナ奏者はスイス人のヒルベルト・ファブレという人です(おそらく、フランス語のジルベルト・ファーブルをスペイン語読みにしたものだと思いますが)。使われる笛は2/3はケーナであり、サンポーニャは1/3くらいしか使われません。
また、その後1980年代初頭に活躍したホセ・ホセロ・マルセロというグループがあります。(先日紹介しました
このグループは、徹頭徹尾、笛はケーナしか使いません。サンポーニャは、まったく使わない。


だから、この時代、つまり1980年代初期までは、ボリビアにおいてもサンポーニャよりケーナのほうがポピュラーだったものと思われます。しかし、それ以降、時代が新しくなるにしたがってケーナよりサンポーニャのほうがポピュラーになっていきます。

理由はいろいろあるのでしょうが、ひとつには、1980年代から現在まで、ボリビアのフォルクローレ界のスーパースターであるロス・カルカスというグループが、明らかにケーナよりサンポーニャを好んでいる、ということがあげられます。その影響を受けた、後に続くグループがみんなサンポーニャを中心に据えるようになった、ということはありそうです。
では、何で彼らはケーナよりサンポーニャを好んだのでしょうか。そこははっきりとは分かりません。ただ、元々器楽曲の要素が強かったフォルクローレの世界で、歌が中心の「ボリビア的歌謡曲」を定着させたのが彼らです。それにしたがって、笛はフォルクローレの旋律楽器ではなく、伴奏楽器になりました。より正しく言えば、歌の前奏と間奏のための旋律楽器です。その役割には、ケーナよりサンポーニャのほうが合うと彼らは考えたのでしょう。

話は変わりますが、ケーナは前述のとおり、フルートと音を出す原理が同じであり、音色や吹き方も非常に近い笛です。そのフルートは、人の声に最も近い楽器だ、とも言われます。バイオリンもそうだといわれることがありますが・・・・・・。最も近いか比較的近いかはともかく、フルートが人の声に近い楽器であることは確かでしょう。ということは、同じ原理で音色の近いケーナもまた、人の声に近い楽器と言えそうです。
一方、サンポーニャのほうは、こりゃどう考えても人の声に近い、とはいえません。
つまり、歌の前奏間奏にケーナを使うと、歌との差が小さく、メリハリがつきにくい、サンポーニャなら歌とは音質が違うので、メリハリが付きやすい、ということなのではないか、と想像するのですが、果たしてどうでしょうか。

ちなみに、ボリビアにおいて(多分、ペルーでもチリでも同じ)管楽器奏者は通常、ケーナとサンポーニャを兼ねて演奏するものです。ケーナしか演奏しません、サンポーニャしか演奏しません、という人は、プロの奏者でも皆無ではないけれど、非常に少ない。





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最終更新日  2015.07.27 00:35:57
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