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テーマ:政治について(19770)
カテゴリ:政治
ハマスに協力するべからず、日本の国益は〝イスラエル〟にあり 元内閣官房参与・谷口智彦
日本が追い求めるべき国益はイスラエルとの交際にある。パレスチナとの間には、ない。ガザ地区にはさらにない。 ガザで今後必要となる民生の復興に、日本は手を貸せばよい。惻隠の情をもってする人道協力が必要だ。 ただし前提がある。ユダヤ人の殺戮・陵辱を喜ぶイスラム原理主義組織ハマスは、麻薬売買を続ける犯罪集団より、よほどたちが悪い。徹底的非軍事化を要す対象ではあっても、日本が協力すべき相手ではない。 ガザの学校はパレスチナの子供たちに、反ユダヤの感情を刷り込んだ疑いがある。運営主体は国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)であり、そんな組織にガザ復興を委ねてよしとするわけにいかない。 乗り遅れるなとばかり、間違った路線のバスに日本は乗るべきでない。 --- 記事全部は有料会員でないと読めないようですが、産経にお金を払う気はありません。 「キリストの幕屋」など親イスラエルの極右勢力が存在することは知っていますが、「日本の国益はイスラエルにあり」とまで言い切ってしまう人には驚きを禁じえません。 イスラエルは米国の友好国であり、日本も米国の同盟国(実質属国)という「共通の味方」の関係はあるにしても、それ以上の関係はありません。 はっきり言ってしまえば、石油を産出しないイスラエルは、日本にとってそこまで重要な国ではありません。もちろん、それはパレスチナやガザも同様ではありますが、両者を比較してイスラエルをより重視しなければならない理由は、特にありません。 ハマスのやってきたことに問題があることは確かですが、イスラエルのやってきたことには、それ以上の問題があるというしかありません。ハマスのような勢力が強大化したのは、明らかにイスラエルのガザに対する高圧的な姿勢に原因があるからです。 西岸地区での「入植」地の拡大や、その過程で度々発生している、ユダヤ人によるパレスチナ人に対する銃撃やその他の暴力を見れば、どう考えてもイスラエル側にパレスチナ人に対する差別意識、憎悪感情がはびこっていることは確実です。 「ユダヤ人の殺戮・陵辱を喜ぶイスラム原理主義組織ハマス」は、そのまま前後を入れ替えて「パレスチナ人の殺戮・陵辱を喜ぶイスラエル極右政党(ネタニヤフ政権の与党)」という事実が存在します。 UNRWAについては、イスラエルが「職員がテロ組織のメンバーだ」と主張していますが、独立検証グループによれば、イスラエル側はその主張の証拠を何も提供しなかった、ということです。したがって、それはデマ、ということになります。なにより、UNRWAを排除したら、ガザの復興を誰が運営するんでしょうか? それにしても、こういう人の発言を無批判に掲載している時点で、産経新聞自身もまた、パレスチナは敵で日本はイスラエル側につくべきだと考えているのでしょうか。「間違った路線のバス」に日本を載せようとしているのは、産経新聞と谷口智彦氏であるようにしか、私には思えません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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谷口氏なる人物を良く知らないんですが、Wikipediaなどを見た限りでは、安倍晋三のスピーチライターだったりとなかなかすごい(もちろんほめていません)人物のようですね。彼の単著を見ても、まるっきり「いかにも」の題名ばかりです。ところで安倍もイスラエルのことはだいぶ好きだったようだし、日本の右翼は、イスラエルを好きな人が多いですよねえ。世界的にそうなんですかね?
> イスラエルは米国の友好国であり、日本も米国の同盟国(実質属国)という「共通の味方」の関係はあるにしても、それ以上の関係はありません。 はっきり言ってしまえば、石油を産出しないイスラエルは、日本にとってそこまで重要な国ではありません。もちろん、それはパレスチナやガザも同様ではありますが、両者を比較してイスラエルをより重視しなければならない理由は、特にありません。 と、私も思います。正直私は、歴史的な経緯もありけっこうイスラエルには同情的なところがあるのですが、この間のinti-solさんの記事にもありましたように、モスクでユダヤ教の説法を大音響で鳴り響かせるとか、「そういうことは控える」といった「お約束」もだいぶ逸脱しているようなところもあるのが非常に心配です。で、立命館大学のマルクス経済学者である松尾匡氏が、対パレスチナでイスラエルが強硬な姿勢を取るようになった背景として、イスラエルの底辺労働が、パレスチナ人からユダヤ人に移行してるという部分があるのではないかという指摘をしていますね。そういうところも確かにあるのかもしれませんね。 //note.com/matsuo_tadasu/n/n9ad694b746d6 (2024.05.21 23:51:28)
Bill McCrearyさん
私もこの人のことを知りませんでしたが、確かに「いかにも」な著書が並び、なおかつ安倍政権下で内閣参与という、実に分かりやすい人です。 かつては、なにしろナチスがユダヤ人を大虐殺したくらいですから、ユダヤ人は右派の攻撃対象だったわけで、また第二次大戦後はアメリカの歴代民主党政権が(共和党政権も同じですが)イスラエルを擁護、支援し続けていました。だから、どちらかというとリベラル層がイスラエル支持だった傾向はあると思われます。 イスラエルって実は独立以来長らく労働党が与党だったんですよね。最初の第1次中東戦争では、ソ連の支援もかなり受けていました。それが米国がイスラエルに肩入れし始めるのと入れ替わりでソ連はイスラエルではなくアラブ側を支援するようになりますが、その当時のイスラエルを各国の右翼が支援していたとは考えにくいです。 (2024.05.22 07:11:48)
続きです。
松尾匡氏の論考は興味深いものがあります。かつてのイスラエルはガザや西岸のパレスチナ人を安価な不安定雇用で大量に雇用していた。しかし今日のイスラエルは、アフリカやロシアから、英語もヘブライ語も話さないユダヤ人を連れてきたことで、不安定雇用の供給源としても、パレスチナ人は「要らなく」なった、というわけですね。 確かに、昨年の大規模テロで、イスラエルで働くパレスチナ人の多くが職を失ったことは報じられていました。色々と符合するなと思えるところが多々ありますね。 (2024.05.22 07:31:38) |