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『犬の鼻先におなら』

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2010年12月14日
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中世支那科学の先進性。人類の文化交流小史。

 先ずは本日(12/14)の日経新聞朝刊社会面の記事から。
 「国立感染症研究所の長谷川秀樹室長らと阪大微生物病研究会の研究チームは、インフルエンザワクチンを鼻の粘膜に吹きつけて、ウイルスに対する免疫が高まる効果を臨床研究で確認した。注射による接種に比べて負担が少ないうえ、感染予防の効果が高いと期待される。今後、臨床研究の人数を増やして効果を調べて実用化につなげる。」

 痛くなくていいですね。その上「鼻粘膜で十分な抗体を増やせる為、注射よりも感染予防の効果が高い」「複数の種類の抗体が増える為、ウィルスが多少遺伝子変異を起こしても予防効果がある」と期待されていると、記事中で紹介されていました。

 この経鼻ワクチン、実は、アメリカでは2003年から既に一般で極普通に実施されている方法。何故か、日経新聞はこの点に触れておらず、あたかも「経鼻」という方法が「日本チームの独創的研究」のように紹介されていました(ネットで検索してみると、別の点に、日本チームの独創性があるらしいのですが、専門的過ぎるので割愛)。

 「どこの国が真っ先に行ったか」より「経鼻ワクチンが普及するかどうか」の方が重要な問題だと思われますが、話の種として、この「経鼻ワクチン」という方法で思い出した事があります。

 それは、18世紀フランスの思想家ヴォルテールの『哲学書簡』の記述。「第11信 種痘について」。
 天然痘予防接種を実施していた英国を支持すべく(他の西洋諸国では行われていなかった為、馬鹿にされていた)、ヴォルテールがコーカサス、トルコでの種痘史を紹介した記述です。
 意外に思われるかも知れませんが、天然痘予防接種は西アジアや支那の方がずっと早かったのです(科学の歴史=西洋の歴史」に非ず。欧米諸国が所謂“先進国”になったのは、地球人類史から見るとほんの最近の事です)。

 コーカサス、トルコでの方法は、健康な子供の腕に傷をつけ、そこに天然痘患者の膿を接種して軽度の天然痘を起こさせて免疫を得るという方法です(この方法をコンスタンチンノープルで学んだ女流文学者ワートリー・モンタギュ夫人が英国王ジョージ二世の妃ウィルヘルミナ・カロラインに伝えたのが、英国種痘史の第一歩)。

 ところが、最後にヴォルテールはそれより古く且つもっと優れた方法を紹介しているのです。
 「私の知る所では、支那人は百年前からこの風習を実施している。世界でいちばん賢明で、いちばん高い文化を持っていると思われている国民の実例とあっては、これはすばらしい前例ではないか。本当の事を言うと、支那人はちがったやり方を用いている。彼らは切り傷をつくらない。嗅ぎ煙草と同じように鼻から天然痘を吸い込ませる。この方法の方がずっと気分がよくて、それでいて効果は同じである。そしてこの話も、もしフランスで種痘が実施されていたら、多数の人命が救われていたであろう事を裏付けるものである。」
 (中央公論社『世界の名著29 ヴォルテール ディドロ ダランベール』より。なお「支那」の語はそのまま。「支那」は差別語ではないので、当然当時の中央公論社も使用しています)
 
 「もしかしたら、この記述を読んだ現代の科学者が経鼻ワクチンの方法を考え付いたのでは」などと一寸想像を楽しみました。


 なお、近代科学の分野に止まらず、18世紀ヨーロッパ啓蒙主義全体に支那文明が与えた影響は、従来考えられていたより(というより、そもそも全然考えられてもいないか)遥かに大きなものがあったと、私は考えています(儒教が鍵)。
 支那文明なかりせば、フランス革命なかるべし。近代民主主義なかるべし。
 地球人類史としての“民主主義”思想史。 

 そう考えると、人権蹂躙の鬼畜一党独裁国家、中国の現在の状況は、なんとも皮肉なものです。
 
中国思想のフランス西漸(1)

 コミュニズムとは何だったのか(あえて過去形(笑)。民主主義の鬼っ子だったのか。それとも民主主義の自己発展、自己崩壊の過程だったのか。





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最終更新日  2010年12月14日 21時19分28秒
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