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昨夜おそくから降りだした雨がまたまた風景を一変させてくれた。周囲いったいの地面に雨が落とした山の気がしみこんでほかほかしている。くもった空はぼうっとけだるくも明るい。陽水の「積荷のない船」のじつにけだるい曲がながれて、過ぎた日々の来客を嗚呼、これから清水湊まで迎えにでかけなくてはならず、ここをいつも読んでくださっている方からのミュージックバトンをここに書きたいが、すべてをこなすのは帰宅した後になります。せっかくの提案企画だし、自分自身が楽しみながら書いていきたいとおもう。
Total volume of music files on my computer ((自分のパソコンにはいっている音楽ファイルの容量) Song playing right now (いま、聴いている曲) The last CD I bought (最後に買ったCD) Five Songs I Listen A Lot, or That Mean A Lot to Me (よく聴くまたは特別な思い入れのある5曲) Five people to whom I'm passing the baton (バトンを渡す5人) で、設問の最初… ★1.Total Volume of Music Files on My Computer 使用機種がMacintoshのCubeであり、OSXの環境で本体に付属の「iTunes」という楽曲管理・再生ソフトを使っている。以前に持っていたiPodと連動し、山歩きでは中の楽曲をそっくりとりだして聴いていました。したがってここには、クラシックは長いためにほとんど入れてなくて、JAZZとPops、Bluesなど28アーティスト26アルバム。286曲演奏時間にして18.9時間ほど。容量は1.09G。 六月の海浜を疾走し岬の先端の空と海の衝突する風景の背中をまわってたくさんのジョークを爆発させながら回転扉と富士のすそ野を日本刀の波紋のようにジグザグにはしった。朝霧高原も雨上がりで地上を長いガスがながれる139号線へ抜けるところでサアーッと車窓を雨が奔る。そんなわけで、設問の二は、 ★2.Song playing right now 『福島泰樹短歌絶叫 中原中也』(東芝EMI 1992)より「六月の雨」。4分11秒の朗読はむろん福島泰樹本人、伴奏はドラム・パーカッションに頭脳警察の石塚俊明、ピアノ・キーボード永畑雅人(CONX)…。こんな異色CDを本気でプロジュースしてしまった長谷川裕一から買った。名盤だよ!まったく。剛毅な福島の絶唱から。♪またひとしきり/午前の雨が/菖蒲のいろの みどりいろ/まなこうるめる おもながきひと…と、中也の「六月の雨」の詩が朗読される。曲は佐藤龍一がつける。そうしてそのあとに泰樹の短歌が歌い上げられるわけだ。「下町の菖蒲の上に降る雨はいつしか青くわが頭上にも/青春はもしやそなたでありしかと櫺子(れんじ)の外に降る雨もある/六月の雨は切なく碧なす樺美智子の名は知らねども…」と。はじまると、かならずすべてを聴くからいつも70分はじっと正座だ。山中ではじつにぴったり、この季節にまた合っている。プログラムの最後は「朝の歌」、ここでは中也の末弟・伊藤拾郎がハモニカ演奏をしている。♪天井に あかきいろいで/戸のすきを 洩れいる光/ひなびたる軍楽のおもひ/手にてなす なにごともなし と。ようやく聴き終える。嗚呼!もっとモーターよ真面目にまわれ。わたしの脳味噌つっぱしれ! それでせっかくだから『新編中原中也全集 第一巻 詩』(平成12年 角川書店刊 7800円)を書棚の奧からとりだして、いまぱらぱらと眺めはじめた。客はとなりでおとなしくテレビニュースを見ているらしい。いや黒猫とじゃれてゐるか。すっかり真っ暗の闇は黙ったまま家の周囲をまわってあるく。玄関ドアも鍵かけた、風呂も沸かした、酒もある。ないのはカネに時間だが、クロノスの貌は直下の渓流に横たわっているか。iTunesのパーティシャッフル機能でいまはじまったのはPUFFYがうたう『嘲笑』で、たしかこれはビートたけしが歌ったものか。みれば、1993年6月にでたシングルらしいが、それをPUFFYが歌っている。パイロット版だろうか、どこで手に入れていまこのパソコンのハードデスクに紛れ込んでいるのか、覚えがない。それで三つ目の設問は最後に買ったCDなわけであるが。山に来てから何か買ったろうか?♪ほしをみるのがすきだぁ/よぞらをみてー/かんがえるのが…と。ああ、隣ではニュースの英語のべらべらがながれてこちらの歌と合唱している。かんがえたら、山に来て買ったCD思いだせない…。星も出ていない。大量に買ってきたウオッカ入り缶チューハイのKIRIN氷結をまたまたどぶどぶとそそぐ、まだ2缶目だけれど、かなり気分もいい。 ★3. The last CD I bought 不明。あるいはいま手元にあるマーラー交響曲第5番(ウィーンフィル バーンスタイン1987.09)か、ムラヴィンスキー指揮のチャイコフスキーNo6(悲愴交響曲)だろうか。後者はレーベルはグラモフォンで捜していたものである。 夜が流れて、いま、BSでは島尾敏雄の『死の棘』を小栗康平監督で映画化した作品(1990年)をやっているようだ。「…ここを過ぎて私らは救魂の場所としての奄美大島にいる。この島の一隅に私はかつて戎衣をまとって棲息した。それは当時特攻隊と呼ばれた異常な生活団体であった。それが生活といえたかどうか、とにかく私はそのときひとつの精神的危機に臨んでいた。その類廃から辛うじて私を救ってくれたものは、この島に生を享けたひとりの娘であった。彼女は私の妻となり、十年の歳月が流れ悪鬼に憑かれて悩み魂を抱いて再び故郷の島山を見た。それらのすべての原因は私が背負わなければならない。私の卑小さは償いにならない。私は再びこの南海の僻境の島によって再生し得るだろうか」(島尾敏雄『妻への祈り』より)。…そして、6月23日は沖縄敗戦の日であった。それにしてもなぜ、こんなに戦争のことが気になるのだろう、とおもうのである。曲は『夏の終わりのハーモニー』、陽水の裏声からいま、スピッツの『冷たい頬』(フェイクファー)か、むちゃくちゃな飛び方がおもろ。なるほど、♪時のシャワーのなかで か。 さて、四番目の設問。最初の二つ(2曲)はずっとかわっていない。 ★4. Five Songs I Listen A Lot, or That Mean A Lot to Me 01 キース・ジャレット・カルテットのアルバム『MY SONG』(1978 ECM)…1977年11月ノルウェオスロのタレントスタジオで録音したもの。このなかの、「My Song」。 02 おなじくキースのケルンコンサート。『The Korn concert1975』。1975年1月24日ケルンのオペラ劇場でのピアノ・ソロのライヴ録音版。 のこり三つ(3曲)がまよう。丑三つ時になった。この際クラシックとジャズははずすか。30日早朝から、烈しい雷鳴と雨だ。うーん、テンペスト。それなら百恵チャンの歌う「さよならの向こう側」いやいややはり「赤い絆 レッド・センセーション」だろ。マイレートは★5つになっている。しかし、結局は 03 GOLDEN J-POP/THE BEST山口百恵から森雪之丞詩・大滝詠一曲「哀愁のコニーアイランド」4分19秒。 だが裏山の土砂くづれは大丈夫か。落雷も。まるでハリウッド映画『十戒』の如し。ひとりじゃなくてよかった、死ぬなら。客は酒に弱いまだ寝てる。猫二匹も大の字で寝てる。そして、いまパソコンから流れ出したのが「GAME IS OVER」だ。♪しあわせとふしあわせのさかいめが/うすいドア一枚分もないことを阿木燿子も竜童も知っている。わたしだって知っている。さああ、流星に乗って銀河鉄道999あと二曲と五匹か。サウンドトラックがあった。ゴダールの青春映画の傑作『気狂いピエロ』(1965年)のなかのわたしの運命線…の歌。アンナ・カリーナが逃避行の森のなか(海岸?)で歌う。あれはなんという歌か、それにもうひとつも挙げておこう。リノ・バンチェラが渋いジョアンナ・シムカスの肢体がやたらまぶしかったフランス映画『冒険者たち』(1967年)の、ドロンがエッフェル塔を複葉機でくぐり抜けるシーンでながれる口笛のまぢる爽快なテーマ曲。そのころにラジオから流れ出しどうしても事情から忘れがたい歌謡曲に「千登世橋」もある。目白のあの橋にはいろんなおもいでもあり、手元にCDはないが青春の歌のひとつ。♪でんしゃとくるまがならんではしる…だったか。調べると「池上線」とおなじ佐藤順英の作詞。目白不動に目黒不動。グリグリの燃え上がる喝ッ眼に不動明王の赤い炎だ。うすっぺらい善意などはめらめらと燃えあがってしまう眼力だ。 04 「わたしの運命線」アントワーヌ・デュアメル(映画『気狂いピエロ』より) 05 ビゼー作曲『アルルの女』 さいごは、まあクラシックですが、ポピュラーみたいなモンでしょ。それにこれはどうしても挙げておかなきゃならない極私的巴里事情もあるのです。ナイショですが。さて、ラストクエスチョン! じゃないかバトンを手渡す「五人のネットワーク」であるが…。個人情報保護にもとづき慎重審査をしてから発表します。娘がプレゼントしてくれた石塚硝子製焼酎ぐいのみグラスに檸檬で割った朝の水をドクドクと注ぐ。 ★ Five people to whom I'm passing the baton つぎの方々にバトンを渡したいと思います。 とこみんさん mikanさん 茫々さん 執事さん 野沢菜々子さん できるだけ、ひと癖有るような方を選んでみました。どうかよろしく ┌|∵|┘ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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